【脊柱管狭窄症】手術が必要なケースと成功率・回復までの流れ

【脊柱管狭窄症】手術が必要なケースと成功率・回復までの流れ

本記事では、脊柱管狭窄症における手術の必要性、種類、成功率、回復までの流れについて詳しく解説します。

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はじめに:脊柱管狭窄症の手術は本当に必要か?

脊柱管狭窄症は、加齢や姿勢の影響で脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで腰痛や下肢の痺れ、歩行困難を引き起こす疾患です。多くの場合、薬物療法や理学療法などの保存療法で症状をコントロールできますが、日常生活に支障をきたすほど症状が進行すると、手術が選択肢に入ります。

■1. どんな場合に脊柱管狭窄症の手術が必要なのか?

[1] 保存療法を続けても症状が改善しない場合

多くの患者は、薬物療法や理学療法、運動療法によって症状が軽減されます。しかし、6か月以上の保存療法を行っても痛みや痺れが改善しない場合、手術を検討する必要があります。

[2] 歩行困難が進行している場合

脊柱管狭窄症の特徴的な症状である間欠性跛行(歩くと痛くなり、休むと改善する)が悪化し、短時間の歩行すら困難になる場合、手術による神経の圧迫除去が推奨されることがあります。

[3] 排尿・排便障害がある場合(馬尾症候群)

まれですが、排尿や排便のコントロールができなくなる症状(馬尾症候群)が現れた場合、緊急手術が必要になります。これは、脊髄の末端部分が強く圧迫されることで生じ、放置すると後遺症が残る可能性があります。

[4] 下肢の筋力低下が進行している場合

足の筋力が衰え、つまずきやすくなる、立っているのが辛くなるなどの症状がある場合は、神経の圧迫が強まり、回復が難しくなる可能性があるため、手術が必要になることがあります。

■2. 脊柱管狭窄症の主な手術方法とその特徴

脊柱管狭窄症の手術には、症状の重さや個々の状態に応じてさまざまな方法があります。

[1] 椎弓切除術(従来の開放手術)

脊柱管の一部(椎弓)を削り、神経の圧迫を取り除く標準的な手術法です。

  • メリット:広範囲の圧迫を取り除ける
  • デメリット:術後の回復に時間がかかる
  • 適応:症状が進行し、広範囲に狭窄が見られる場合

[2] 内視鏡手術(MED法)

小さな切開を行い、内視鏡を使って最小限の侵襲で圧迫を取り除く方法です。

  • メリット:回復が早く、体への負担が少ない
  • デメリット:適応できるケースが限定的
  • 適応:狭窄が部分的な場合

[3] 固定術

脊椎が不安定になっている場合、金属プレートなどで固定する手術です。

  • メリット:腰椎の安定性が高まる
  • デメリット:回復に時間がかかる
  • 適応:脊椎の不安定性がある場合

[4] 人工椎間板置換術

変性した椎間板を人工のものに置き換え、神経の圧迫を軽減する新しい手術法です。

  • メリット:動きの自由度を維持できる
  • デメリット:適応できるケースが限られる
  • 適応:特定の患者にのみ適用される

■3. 脊柱管狭窄症の手術の成功率とリスク

[1] 成功率

一般的に、脊柱管狭窄症の手術成功率は80〜90%と高く、多くの患者が術後に症状の改善を実感しています。ただし、術後のリハビリが重要です。

[2] 術後のリスクと合併症

  • 神経損傷(まれに発生)
  • 血栓形成(手術後の運動不足によりリスク増)
  • 感染症(傷口からの感染に注意)
  • 再狭窄(手術後数年で再発する可能性)

手術を受ける際は、医師とよく相談し、リスクについても理解することが重要です。



脊術後のリハビリと回復までの流れ

■1. 術後のリハビリプラン

  • 手術翌日〜1週間:軽い動作から始める
  • 術後2週間〜1か月:歩行訓練を中心に
  • 術後3か月〜6か月:本格的なリハビリを開始

■2. 早期回復のポイント

  • 医師の指示に従い適切な運動を行う
  • 無理をせず徐々に活動範囲を広げる
  • 食生活にも注意し、栄養バランスを整える



まとめ:手術を決断する前に知っておくべきこと

脊柱管狭窄症の手術は、保存療法で改善しない場合や、症状が悪化して日常生活に影響を及ぼす場合に検討すべき選択肢です。手術方法にはいくつかの種類があり、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、適切な治療法を選ぶことが重要です。

また、術後のリハビリが成功の鍵を握るため、適切な運動とケアを続けることが、早期回復への近道となります。

手術を検討している方は、まずは専門医に相談し、自分に最適な治療法を見極めることが大切です。

参考:脊柱管狭窄症と再生医療

近年、ヒト血小板溶解液系の硬膜外投与や点滴投与をはじめとした非侵襲な治療法が「新たな選択肢」として注目されはじめています。

この「新たな選択肢」は、手術と比較すると経済的負担が少なく、ダウンタイムも最小限に抑えられる点がメリットです。また、ストレッチや運動療法、生活改善をはじめとする既存の保存療法との併用により、さらなる症状緩和を期待できます

再生医療解説|ヒト血小板溶解液の硬膜外注射による腰部脊柱管狭窄症改善の作用機序」で詳細を解説しています。



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執筆者

代表取締役社長 博士(工学)中濵数理

■博士(工学)中濵数理

  • 由風BIOメディカル株式会社 代表取締役社長
  • 沖縄再生医療センター:センター長
  • 一般社団法人日本スキンケア協会:顧問
  • 日本再生医療学会:正会員
  • 特定非営利活動法人日本免疫学会:正会員
  • 日本バイオマテリアル学会:正会員
  • 公益社団法人高分子学会:正会員
  • X認証アカウント:@kazu197508

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