
【がん保険の選び方】一時金が充実したがん保険が重要な理由とは?
■1. がんと診断された際に必要な経済的サポートとは
がんは日本人の死亡原因の第一位であり、生涯で2人に1人ががんを発症すると言われています。そのため、がんに対する備えとして「がん保険」に加入することは、多くの人にとって重要な選択肢となります。しかし、がん保険にもさまざまな種類があり、どのような補償内容を選ぶべきか悩む人も多いでしょう。
特に最近では、第4の選択肢としてがん免疫療法をはじめとする自由診療が注目されていますが、これらは標準治療や先進医療の対象外となるケースがほとんどです。そのため、がんと診断された際に一時金を受け取れるタイプのがん保険に加入することが、将来の選択肢を増やす一助となります。
本稿では、一時金が充実したがん保険の必要性と、適切ながん保険を選ぶためのポイントを解説します。
なお、多くの人が、自由診療で提供されるがん免疫療法に対して否定的な印象を持っているかもしれません。実際に、効果がほとんどないにもかかわらず、高額な治療費が請求されるケースが多く報告されているのも事実です。
しかし一方で、NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®) のように、科学的根拠に基づいた有望ながん免疫療法も存在します。がん免疫療法には、保険適用のものから未適用のものまで幅広い選択肢があり、その全体像について別稿「がん免疫療法とは?保険適用・先進医療・高度化の最新動向を解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
本稿の目的は、がん免疫療法や自由診療を推奨することではなく、患者さんやご家族が医師の判断とともに、可能な限り多くの選択肢を持てるようにすることにあります。がん治療の選択にあたって、正しい情報をもとに納得のいく判断ができるよう、本稿が役立てば幸いです。
■2. がん保険の基本:どのような補償があるのか?
がん保険は、一般的に次のような補償を提供します。
- 診断給付金(一時金):がんと診断された際に支給されるまとまった金額の給付金
- 入院給付金:がん治療のために入院した際に支給される日額給付金
- 手術給付金:がん治療のために手術を受けた場合に支給される給付金
- 通院給付金:入院後の通院治療を受ける際に支給される給付金
- 抗がん剤・放射線治療給付金:抗がん剤治療や放射線治療を受ける際に支給される給付金
これらの補償のうち 「診断給付金」 は特に重要です。なぜなら、がんが発覚した直後は治療費だけでなく、仕事を休むことによる収入減少、通院費、生活費の増加など、多くの経済的負担が発生するからです。
■3. なぜ「診断一時金」が充実したがん保険を選ぶべきなのか?
がん治療は長期間にわたることが多く、初期費用が特に大きくなります。そのため、がんと診断された時点でまとまったお金を受け取れる「診断給付金(一時金)」が充実しているがん保険を選ぶことが重要です。
例えば、
- がんと診断されたら100万円の一時金が受け取れる
- 進行がんや再発がんの場合は、さらに追加で一時金が支給される
- 治療が長期化した際に再度診断給付金を受け取れるタイプのがん保険もある
といった条件のがん保険を選ぶことで、がんの治療費だけでなく、生活費の補填としても役立ちます。
さらに、標準治療の枠外にある高額な治療を受けたい場合、一時金を活用することで選択肢が広がります。多くのがん保険では、先進医療特約があってもがん免疫療法をはじめとする自由診療枠のがん治療はカバーされないため、自由に使える一時金の存在が非常に大きな意味を持ちます。
■4. がん保険の選び方:会社の薦めに乗るのではなく専門の相談窓口を活用
がん保険を選ぶ際に気を付けるべき点として、「会社や知人の紹介だけで加入を決めない」ということが挙げられます。
職場や知人から「このがん保険がいいよ」と薦められることは多いですが、がん保険は個々のライフスタイルやリスクに応じて選ぶべきものです。単に「みんなが入っているから」といって安易に加入してしまうと、自分に合わない補償内容になってしまう可能性があります。
そのため、
- がん保険専門の相談窓口
で複数の保険を比較する - 診断一時金が充実しているかを重視して選ぶ
- がん免疫療法などの自由診療に対応しやすいプランかどうかをチェックする
といったポイントを意識することが大切です。
最近では、保険ショップやオンライン相談などを活用すれば、がん保険に詳しい専門家が無料で相談に乗ってくれるため、納得できるプランを選ぶことができます。
■5. まとめ:がん保険は「一時金の充実」と「相談窓口の活用」がカギ
がん保険を選ぶ際には、
- がんと診断された際に一時金を受け取れるタイプの保険を選ぶ
- がん免疫療法のような標準治療外の選択肢にも対応しやすいか確認する
- 会社の薦めではなく、がん保険専門の相談窓口を活用する
といった点を意識することが重要です。
がん保険は長期間にわたる安心材料となるため、自分のライフスタイルや将来設計を考慮し、慎重に選ぶようにしましょう。
本記事の内容につきまして、お気軽にお問い合わせください。但し、真摯なご相談には誠実に対応いたしますが、興味本位やいたずら、嫌がらせ目的のお問い合わせには対応できませんので、ご理解のほどお願いいたします。
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がん保険を選ぶ際は、一時金が充実しているかが重要です。診断時にまとまった金額を受け取ることで、治療費や生活費の負担を軽減できます。がん免疫療法は自由診療が多く、保険適用外となるケースがあるため、一時金が有効です。がん保険選びは専門の相談窓口で比較することが大切です。自分に合った補償内容を選び、将来の選択肢を広げましょう。
執筆者
中濵数理2-300x294.png)
■博士(工学)中濵数理
- 由風BIOメディカル株式会社 代表取締役社長
- 沖縄再生医療センター:センター長
- 一般社団法人日本スキンケア協会
:顧問 - 日本再生医療学会:正会員
- 特定非営利活動法人日本免疫学会:正会員
- 日本バイオマテリアル学会:正会員
- 公益社団法人高分子学会:正会員
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