
無菌試験など品質検査の受託委託
当社は、再生医療CMO/CDMO事業、医薬品原料の研究開発、化粧品原料の製造販売を展開しており、これまでに無菌試験をはじめとする品質試験や安全性試験の豊富な知見を蓄積してきました。また、微生物試験のリーディングカンパニーであるビオメリュー社および総合環境衛生サービスを提供する環境衛生薬品社と業務提携しており、業界トップクラスの分析技術と専門性を活用したサービスを提供しています。
これらの強みを生かし、再生医療、医薬品、医療機器、化粧品、食品などの研究開発品・試作品・製品に対し、品質と安全性を保証する試験サービスを日本全国で提供しています。これらの試験を包括的な検査サービスとして、競争力のある価格帯でご提供しており、スポットでのご依頼にも柔軟に対応いたします。お気軽にお問い合わせください。
■無菌試験の受託委託
無菌試験は、無菌性を要求される製品等の中に微生物が含まれていないことを検証するために実施される微生物検査です。再生医療をはじめとする創薬、医薬、医療機器、化粧品や食品、飲料に至るまで幅広い産業領域、学術領域において、その研究開発や製品の品質管理に際し、無菌試験は不可欠かつ日常的な検査項目となっています。
当社では、当社では検出機序の異なる複数の無菌試験法を扱っており、お客様のニーズに合わせて適切な方法をご提案しています。
具体的には、GMPと日本薬局方に準拠する無菌試験法として、直接法とメンブレンフィルター法を、GMPに準拠し、日本薬局方参考情報収載の無菌試験法として、Bact/ALERT(バクテアラート)法を、その他の無菌試験法として、リアルタイムPCRを用いる核酸増幅法(NAT法:Nucleic acid Amplification Test)とATP法(Adenosine TriPhosphate:アデノシン三リン酸)を委受託しています。
■無菌試験の受託委託の内容
■直接法
直接法による無菌試験は、試験手順が簡便であるという利点があります。一方で、日本薬局方に記載されている指定6菌種は適切に検出できるものの、発育が遅い菌の検出には時間がかかるという課題があります。さらに、この方法は視覚的判断に依存するため、検査技師の主観が影響しやすく、特に濁りが生じる試料には適していません。
- 通常納期:3週間から1ヵ月
- 緊急納期:14日
- 納品方法:検査報告書(通常)、試験証明書(応相談)※試験証明書は英語対応も可能
■メンブレンフィルター法
メンブレンフィルター法による無菌試験は、直接法と同様に日本薬局方に記載されている6種類の指定菌を適切に検出できます。しかし、発育が遅い菌については、検出に時間がかかる場合があります。また、この方法は大量の試料が必要になるうえ、フィルタリング時に目詰まりしやすい試料は適用できません。
- 通常納期:3週間から1ヵ月
- 緊急納期:14日
- 納品方法:検査報告書(通常)、試験証明書(応相談)※試験証明書は英語対応も可能
■バクテアラート法
バクテアラート法による無菌試験は、「ガス測定法」とも呼ばれる検査方法です。試料を培養ボトルに注入し培養することで、微生物が発生させる二酸化炭素を検出する仕組みのため、菌種に依存せず、客観的な判断が可能です。また、直接法やメンブレンフィルター法では取り扱いが難しい抗菌剤を含む試料や細胞懸濁液試料にも適用できるため、幅広い試験に対応可能です。
当社では、32.5℃と22.5℃の2温度帯での培養を実施し、偏性嫌気性菌や微好気性菌にも対応するバクテアラート法を標準的な無菌試験として採用しています。
- 通常納期:3週間から1ヵ月
- 緊急納期:7日
- 納品方法:検査報告書(通常)、試験証明書(応相談)※試験証明書は英語対応も可能
■NAT法
NAT法による無菌試験は、最短1日で結果が得られる「超迅速性」が大きな強みです。しかし、生菌だけでなく死菌も検出してしまう可能性があるため、試験の目的に応じた適用の適切な判断が重要となります。
- 通常納期:14日
- 緊急納期:3日
- 納品方法:検査報告書
■ATP法
ATP法による無菌試験は、NAT法と同様に、最短1日で結果が得られる「超迅速性」が強みの検査方法です。しかし、試料によって閾値や測定時間が変動する可能性があるため、他の無菌試験と比べても特に開発要素が大きく、適用には慎重な検討が必要な方式です。
- 通常納期:応相談
- 緊急納期:未対応
- 納品方法:検査報告書(試料の前処理方法を含め無菌試験条件のレポートを含む)
直接法、メンブレンフィルター法、バクテアラート法による無菌試験ついては、「手法の適合性試験」も承っております。各無菌試験についてお気軽にお問い合わせください。バクテアラート法による無菌試験と、比濁法によるエンドトキシン試験、ATP法によるマイコプラズマ否定試験を合わせた「セット割」も提供しています。
■エンドトキシン試験の受託委託
エンドトキシン試験とは、グラム陰性菌由来のパイロジェン(発熱物質)であるエンドトキシンを検出または定量する試験です。GMPと日本薬局方に準拠する方法として、ゲル化法(転倒法)と比濁法、比色法の3種類の試験方法が記載されています。当社では、比濁法をスタンダードなエンドトキシン試験として提供しています。
■エンドトキシン試験の受託委託の内容
■ゲル化法(転倒法)
ゲル化法(転倒法)とは、エンドトキシンの存在によるライセート試液の凝固反応を指標として、エンドトキシンを検出または定量する方式です。
- 通常納期:1週間から2週間
- 緊急納期:1日
- 納品方法:検査報告書
■比濁法
比濁法とは、ライセート試液のゲル化過程における濁度変化を指標として、エンドトキシンを検出または定量する方式です。
- 通常納期:1週間から2週間
- 緊急納期:1日
- 納品方法:検査報告書(通常)、試験証明書(応相談)※試験証明書は英語対応も可能
■比色法
比色法とは、合成基質の加水分解による発色を指標として、エンドトキシンを検出または定量する方式です。
- 通常納期:1週間から2週間
- 緊急納期:1日
- 納品方法:検査報告書
比濁法によるエンドトキシン試験ついては、「反応干渉試験」も承っております。各エンドトキシン試験についてお気軽にお問い合わせください。バクテアラート法による無菌試験と、比濁法によるエンドトキシン試験、ATP法によるマイコプラズマ否定試験を合わせた「セット割」も提供しております。
■マイコプラズマ否定試験
マイコプラズマとは、細菌の一種で真核生物を宿主とする寄生生物です。マイコプラズマはしばしばヒトにおいて非定型肺炎を引き起こすため、特に再生医療分野における再生医療等製品や特定細胞加工物の提供に際し、マイコプラズマの汚染がないことを確認するマイコプラズマ否定試験は重要なステップです。GMPと日本薬局方に準拠する方法として、培養法とDNA染色法、核酸増幅法の3種類の試験方法が記載されています。当社では核酸増幅法に加え、ATP法によるマイコプラズマ否定試験も提供しております。
■マイコプラズマ否定試験の受託委託の内容
■培養法(A法)
培養法とは、検体を寒天平板培地で14日以上培養し、マイコプラズマの増殖を検出します。当社では取り扱いがございません。
■DNA染色法(B法)
DNA染色法とは、指標細胞を用いてマイコプラズマのDNAを染色し、視覚的に検出します。当社では取り扱いがございません。
■核酸増幅法(NAT:Nucleic acid Amplification Test;C法)
核酸増幅法とは、目的とする細胞やウイルス等の遺伝子や遺伝子発現により転写された mRNA 等をその塩基配列に特異的なプライマーを用いて酵素的に増幅し,リアルタイムPCPを用いて増幅産物を検出します。
- 通常納期:1週間から2週間
- 緊急納期:1日
- 納品方法:検査報告書(通常)、試験証明書(応相談)※試験証明書は英語対応も可能
■ATP法
ATP法とは、アデノシン三リン酸をルシフェラーゼ酵素との反応により発光させ、その発光量を測定する試験方法で、安定した試験結果を迅速性に得ることができます。
- 通常納期:1週間から2週間
- 緊急納期:1日
- 納品方法:検査報告書
NAT法によるマイコプラズマ否定試験ついては、「バリデーション」も承っております。各マイコプラズマ否定試験についてお気軽にお問い合わせください。バクテアラート法による無菌試験と、比濁法によるエンドトキシン試験、ATP法によるマイコプラズマ否定試験を合わせた「セット割」も提供しております。
■ウイルス否定試験
ウイルス否定試験とは、細胞や培養液にウイルスが含まれていないかを確認するための検査です。主に再生医療やバイオ医薬品の製造過程で実施されます。検査には、分離培養法や血清学液検査などさまざまな方法が使われますが、特にリアルタイムPCPを用いる核酸増幅法(NAT法)が一般的で、微量のウイルス遺伝子を高感度に検出できます。NAT法は、GMPと日本薬局方に準拠する方法で、当社でもスタンダードな試験方法として提供しています。
■ウイルス否定試験の受託委託の内容
■核酸増幅法(NAT法)
- 通常納期:1週間から2週間
- 緊急納期:3日
- 対象ウイルス: HIV(HIV-1、HIV-2)、HCV、HBV、HEV、PVB19、HTLV、WNV、EBV、CMV
- 納品方法:検査報告書(通常)、試験証明書(応相談)※試験証明書は英語対応も可能
■核型試験(核型解析)
染色体の核型試験(核型解析)は、細胞の染色体の数や形、構造に異常がないかを調べる検査です。細胞が有糸分裂の中期に達したとき、染色体が最もはっきりと観察できるため、このタイミングで検査を実施します。この解析によって、特定の遺伝的疾患のリスクを評価できます。白血病やその他のがんにおける染色体異常の発見にも役立ちます。疾患の診断や予後の予測が可能となり、適切な治療法の選択に貢献します。
さらに、再生医療などの研究分野でも広く活用され、特に細胞の安全性評価において重要な役割を果たしています。この試験で得られる核型情報は、細胞バンクや製薬企業においても不可欠なデータとなります。このことから、当社では、染色体を特定のパターンで染色して異常の有無を確認する簡易核型解析(G-Band法)と、蛍光標識プローブを用いて特定の染色体や遺伝子領域を可視化し、より詳細な異常を解析するマルチカラーFISHの2種類の核型解析を受委託しています。
■核型試験の受託委託の内容
■簡易核型解析(G-Band法)
- 通常納期:1ヵ月
- 緊急納期:未対応
- 納品方法:検査報告書
■マルチカラーFISH
- 通常納期:2ヵ月
- 緊急納期:未対応
- 納品方法:検査報告書
■フローサイトメトリー試験(FCM試験)
フローサイトメトリー試験は、細胞の特徴を詳しく調べる高度な分析技術です。特に、細胞表面の抗原や細胞内部の成分を識別・解析するために用いられ、医療や生物学的研究の分野で広く活用されています。例えば、がん細胞の特性を調査し、白血病や悪性リンパ腫の診断に役立てられています。また、リンパ球の種類(サブセット)の確認や、ワクチンの効果測定に利用されています。
フローサイトメトリー試験では、レーザー光を用いて細胞や微粒子の特性を非破壊的に測定します。事前に特殊な蛍光標識で細胞を染色し、細胞が装置内を流れる際にレーザー光を当てることで、さまざまな情報を取得します。例えば、細胞のサイズや形状、特定のタンパク質の量、細胞の数や種類の分類、細胞の生死状態、細胞周期の進行状況などがわかります。細胞を個別に迅速かつ高精度に解析できるため、研究や臨床診断において非常に重要です。
■フローサイトメトリー試験の受託委託の内容
- 通常納期:要相談
- 緊急納期:応相談
- 納品方法:検査報告書
■ELISA試験
ELISA法(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)は、特定の抗体や抗原を検出・定量するための免疫測定法です。この方法では、試料中の目的成分を特異的な抗体で捉えた後、酵素反応を利用して視覚的な信号に変換し、その強度を測定することで成分の有無や濃度を評価します。
ELISA法は、多様な生体試料の分析に使用されており、例えば、幹細胞上清やエクソソームの解析(成長因子の種類や濃度の識別・定量など)や、医療研究分野(ウイルスや細菌感染の診断、ホルモンやサイトカインの測定など)が挙げられます。
エクソソーム内の成長因子を正確に測定するには、小胞を破壊し、内部の成分を適切に抽出する高度な技術が不可欠です。当社はこの分野で豊富な経験を有し、精密な解析を提供しています。また、動的光散乱法(DLS法)を併用することで、幹細胞上清やエクソソームの粒子サイズ、分布、個数を詳細に分析でき、より包括的な評価が可能になります。
■ELISA試験の受託委託の内容
- 通常納期:要相談
- 緊急納期:応相談
- 納品方法:検査報告書
■動的光散乱法(DLS法)
動的光散乱法(DLS法)は、ナノメートルサイズの粒子の動きを測定する技術で、主に液体中における粒子のサイズや分布を評価するために用いられます。この方法は、粒子が液体中でランダムに動くブラウン運動に基づいています。具体的には、試料中の粒子にレーザー光を照射し、その散乱光の強度変化を時間の経過とともに追跡することで測定を行います。
動的光散乱法では、溶液中の粒子が動くことで生じる散乱光の微細な変動を解析します。この散乱光の強弱の変化は粒子の運動と密接に関係しており、その時間的な変動パターンを数値化するために自己相関関数を用います。この計算によって粒子の拡散係数を求め、それを基に粒子のサイズや濃度、さらには試料のマイクロ粘弾性などの特性を詳細に評価することができます。
■動的光散乱法の受託委託の内容
- 通常納期:要相談
- 緊急納期:応相談
- 納品方法:検査報告書
■その他試験
当社では、光学顕微鏡とSEM(走査型電子顕微鏡)を用いた視覚的評価に加え、EDX(エネルギー分散型X線分光法)による元素分析や組成分析を組み合わせた異物検査を提供しています。さらに、自動表面張力測定機(ウィルヘルミ法)、自動電位差滴定装置(電導度滴定対応)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を保有しており、提携企業の分析装置も活用することで、多様な機器分析の受託・委託に対応しています。
また、超遠心機、ハイブリッドプラズマコーター(ナフタレン/オスミウム)、スピンコーターなどの設備も備えており、試料の調製や前処理の受託・委託にも対応可能です。精密な分析から前処理まで一貫したサービスを提供し、さまざまな研究・開発ニーズにお応えします。
■その他試験の委受託の内容
- 通常納期:要相談
- 緊急納期:応相談
- 納品方法:報告書
■各種試験のお問い合わせ
- 試験 機関:由風BIOメディカル沖縄再生医療センター
- 施設 番号:FA7230002
- 施設管理者:博士(工学)中濵数理
- 住 所:沖縄県うるま市字州崎5-1
- 電話 番号:098-923-0037
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