PCP-FD®Ⅰ:次世代PRPが切り拓くバイオセラピーと臨床応用

PCP-FD®Ⅰ:次世代PRPが切り拓くバイオセラピーと臨床応用

PCP-FD®Ⅰとは

PCP-FD®Ⅰは、当社が独自に開発した細胞加工物です。PCP-FD®Ⅰには細胞そのものが含まれていないため、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」の規制対象には該当しません。そのため、本製品は「薬機法」と「血液法」に基づいて整理されるバイオセラピーに位置付けられます。

■1. 薬機法上の整理

薬機法は、医薬品や医療機器などの安全性と有効性を確保するための法律です。この法律は、無承認・無許可の医薬品や製品の流通を規制します。しかし、患者様ごとに採血を行い、その血液を個別に加工して、当該患者様へ医師の裁量に基づく自由診療として用いる場合には、「加工役務」として整理されます。再生医療等安全性確保法における「特定細胞加工物」も、この加工役務の仕組みを利用して提供されています。

■2. 血液法上の整理

血液法は、採血および採血物に由来する製品の製造を原則として規制する法律です。一方で、医療行為に資する採血や製造については、例外として認められています。すなわち、医療機関が治療目的で患者様の血液を採血し、連携する施設がその血液を当該患者様向けに加工して医療機関へ戻す場合、この「加工役務」は例外要件に該当すると整理されます。再生医療等安全性確保法に基づくPRP療法も、同様の仕組みで提供されています。

PCP-FD®Ⅰの背景

PCP-FD®Ⅰは、もともと次世代PRPとして位置付けて開発された製品であり、当初は整形外科領域を中心に加工役務を受託していました。しかし、開発時に得られた研究データの特性から、現在では皮膚科、内科、神経内科、脳神経外科、婦人科など、幅広い診療科へ普及しつつあります。

当社ではNKT細胞標的治療について幅広く技術情報を提供しています。是非お問い合わせください。

■1. 研究データ1

下記のグラフは、PCP-FD®Ⅰ、一般的なPRP療法(LR-PRP)、および他社次世代PRPの投与液に含まれる成長因子濃度を比較したものです。グラフは、LR-PRPに含まれる各成長因子濃度を基準とした場合の相対値(対数表記)で示しています。

成長因子濃度比較|PCP-FD®Ⅰ・LR-PRP・次世代PRP

PCP-FD®Ⅰは、いずれの成長因子も有意に高濃度で含有しており、次世代PRPとして競争力が期待されます。

■2. 研究データ2

次のグラフでは、PCP-FD®Ⅰと、研究用試薬として提供しているPCP-FD®Ⅱ-αの成長因子濃度を比較しています。グラフは、PCP-FD®Ⅱ-αに含まれる各成長因子濃度を1とした場合の相対値です。

PCP-FD®Ⅱ-αとPCP-FD®Ⅰの成長因子濃度比較

PCP-FD®Ⅱ-αはドナー由来の原料から調製するため、各成長因子濃度に大きなムラがありません。これに対して、PCP-FD®Ⅰは患者様本人の検体から調製するため、個体差が反映されて濃度に多少のばらつきが生じますが、総合的にはPCP-FD®Ⅰがより高い成長因子濃度を示しています。

■3. 研究データ3

さらに、下記のグラフでは、バイオセラピーの加工役務として提供しているPCP-FD®Ⅰと、一般的な培養工程を経た脂肪由来間葉系幹細胞の培養上清、そしてPCP-FD®Ⅱ-αの抗酸化酵素濃度を比較しています。グラフは、培養上清に含まれる各抗酸化酵素濃度を1とした場合の相対値です。

PCP-FD®Ⅱ-αとPCP-FD®Ⅰと培養上清の抗酸化酵素濃度比較

PCP-FD®Ⅰは、PCP-FD®Ⅱ-αや培養上清と比較して、圧倒的にに高濃度の抗酸化酵素を含有しています。

PRP(Platelet-Rich Plasma、多血小板血漿)療法とは

PRP(Platelet-Rich Plasma、多血小板血漿)は、自己血を遠心分離して血小板を高濃度に濃縮した血漿成分です。血小板に含まれる成長因子やサイトカインが組織修復や炎症抑制を促進することから、整形外科や皮膚科、美容医療など幅広い分野で応用されています。

■1. PRPの作用機序

[1] 成長因子の放出

活性化された血小板から以下の因子が放出されます。

  • PDGF:線維芽細胞の増殖や血管新生を促進します。
  • VEGF:新しい血管の形成を誘導します。
  • TGF-β:コラーゲン産生や創傷治癒に関与します。
  • EGF:上皮細胞の修復を促進します。
  • IGF-1:筋肉や神経組織の修復を助けます。

[2] 組織修復の加速

成長因子が局所に作用し、細胞の遊走・増殖・分化を誘導することで、組織修復や再生が進みます。

[3] 炎症の調整

サイトカインや抗炎症性因子により、疼痛の軽減や慢性炎症の改善が期待されます。

■2. PRPの分類

PRPは調製方法や白血球・フィブリンの含有量によっていくつかに分類されます。

[1] Pure-PRP(P-PRP)

  • 特徴:白血球をほとんど含まないPRP。
  • 性質:透明度が高く、炎症を起こしにくい。
  • 主な用途:美容医療(肌再生、毛髪再生)、整形外科の関節注射。

[2] Leukocyte-Poor PRP(LP-PRP)

  • 特徴:白血球を低濃度に抑えたPRP。
  • 性質:炎症リスクを減らしつつ、成長因子を高濃度に保持。
  • 主な用途:関節症治療、慢性腱障害。

[3] Leukocyte-Rich PRP(LR-PRP)

  • 特徴:白血球を多く含むPRP。
  • 性質:抗菌作用や炎症反応の誘導により、急性損傷部位での修復を促進。
  • 主な用途:靭帯損傷、外科手術後の治癒促進、スポーツ外傷。

[4] APS™(Autologous Protein Solution)

  • 特徴:PRPをさらに加工し、抗炎症性サイトカイン(IL-1受容体拮抗因子など)を高濃度に濃縮した製剤。
  • 性質:炎症性サイトカインのシグナルを抑制し、疼痛や炎症の制御に特化。
  • 主な用途:変形性関節症の疼痛緩和。欧米では医療機器として承認例あり。

■3. PRPの主な用途

[1] 医療領域

  • 整形外科:変形性関節症、腱炎、靭帯損傷、スポーツ外傷
  • 皮膚科・形成外科:瘢痕や潰瘍の治療、熱傷後の修復
  • 神経内科:末梢神経損傷や神経疾患の研究応用
  • 婦人科:卵巣機能改善、子宮内膜再生の研究的応用

[2] 美容領域

  • 肌の若返り(しわ・たるみの改善)
  • 毛髪再生(AGAや女性型脱毛症)
  • ニキビ痕や瘢痕の改善

PCP-FD®の展望

当社では現在、PCP-FD®ⅠおよびPCP-FD®Ⅱ-αをベースにした医薬組成物(開発コード:PCP-FD®Ⅱ-RD)の研究開発を進めており、将来的には再生医療等製品あるいは医薬品としての承認取得を目指しています。

具体的には、下記領域への普及型治療としての社会実装を推進していきます。

文責

代表取締役社長 博士(工学)中濵数理

■博士(工学)中濵数理

  • 由風BIOメディカル株式会社 代表取締役社長
  • 沖縄再生医療センター:センター長
  • 一般社団法人日本スキンケア協会:顧問
  • 日本再生医療学会:正会員
  • 特定非営利活動法人日本免疫学会:正会員
  • 日本バイオマテリアル学会:正会員
  • 公益社団法人高分子学会:正会員
  • X認証アカウント:@kazu197508

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