研究開発紹介:迅速・高感度診断薬|体外医薬品の研究開発

研究開発紹介:迅速・高感度診断薬

研究開発の目的と背景

■1. ターゲット領域

当社は「既存の生化学検査装置で免疫血清検査を可能にする診断薬」の研究開発を進めています。対象は免疫血清検査項目全般および特殊感染症分野ですが、具体的な優先項目は非開示としています。

■2. 社会的・科学的背景

現行の免疫血清検査はELISA法に依存しており、高精度である一方、検査時間とコストが大きな課題です。

個人病院では検体を外部に送るため結果通知が遅れ、早期発見や予防医療を阻害しています。大学病院でも再発検査など即応性が求められる場面で迅速性が不足しています。

さらに検査センターでは、スクリーニングと再検査を併用せざるを得ず、国民全体の医療財政負担につながっています。

■3. 現状の課題認識

ELISA法の課題(検査時間・コスト)を克服するため、生化学装置で利用可能なラテックス凝集法が注目されています。

診断薬|ラテックス凝集法|模式図

しかし実用化には、下記の二つの課題を同時に解決する必要があります。当社はこの二重課題を克服することを研究開発の焦点としています。

  • ナノ粒子の非特異的吸着による擬陽性と感度低下
  • 抗体の性能を十分に引き出せない感作プロセス

診断薬|ラテックス凝集法|ネガティブな模式図

課題解決の基本方針

■1. 研究開発の姿勢

診断薬の研究開発は大きな倫理的・環境的リスクを伴いません。当社は 科学的妥当性と臨床有用性を最優先とし、医療財政と検査現場の双方に資する技術を追求しています。

■2. 解決アプローチ

  • 粒子形成過程で凝集を抑える物理化学的制御(コロイド界面化学)
  • 表面状態を構築する合成化学的設計
  • 抗体の能力を最大限に引き出す感作プロセス

当社のコア技術・強み

■1. 基盤技術

  • ナノ粒子の分散・凝集を安定的に制御する技術
  • 合成化学に基づく精密な表面構造設計技術
  • 抗体の活性を保持し性能を最大限に発揮させる感作プロセス

■2. 他社との差別化要素

当社のナノ粒子は非特異的吸着を実質的に検出限界以下に抑えます。さらに独自の感作プロセスを組み合わせることで、従来のラテックス凝集法を大きく上回る性能を示し、ELISA法に迫る感度水準を生化学装置で実現しつつあります。

これは競合が容易に模倣できない設計思想とプロセスに基づいており、強固な参入障壁となります。

研究開発の成果

  • 現在、国内特許出願予定2件、国際特許出願予定3件を準備中です。
  • 感度は従来ラテックス法を大幅に上回り、ELISA法に近い水準に到達しています。

応用可能性と展望

■1. 市場性・応用分野

当社は診断薬の完成品を製造せず、診断薬の性能を左右するナノ粒子・抗体感作粒子を提供します。これを試薬メーカー等が製剤化・ボトリングし、薬機法対応のうえ国内外に展開します。

  • 世界の体外診断(IVD)市場:2024 年 約 17.5 兆円 → 2033 年 約 27.2 兆円
  • 日本の免疫測定市場:2024 年 約 2,938 億円 → 2033 年 約 5,448 億円
  • 世界の免疫診断市場:2024 年 約 4 兆245 億円、CAGR 約 4.6%

免疫診断は体外診断市場の中でも利益率が高い分野であり、当社が持つ「生化学装置を活用する診断薬」は、低コストかつ即時結果を可能にする新しい市場機会を切り拓きます。

今後の研究開発方向性

総じて中期(3〜5 年) を見据え、重点項目から順次開発を進めていきます。

■1. 社会実装の展望

  • 即日検査の実現
  • 医療財政負担の軽減
  • 検査センターの効率化

これらの社会的ニーズに応えることで、診断医療のゲームチェンジを牽引します。

産学連携・社会とのつながり

現在、複数の企業と共同研究を進行中ですが、新規パートナーも広く募集しています。是非、お問い合わせください。

学術機関との連携は一部特殊感染症領域にとどまり、産業界との協力を軸に事業化を推進しています。

品質と信頼性

  • 当社はISO9001 に基づく品質マネジメント体制を整備し、研究開発段階から一貫して品質を確保しています。
  • 医用材料分野の技術として安定性と再現性を重視し、社会実装を支える品質基盤を築いています。

プロジェクトリーダー

本研究開発のプロジェクトリーダーは、当社代表取締役社長・CTOの博士(工学)中濵数理です。

■1. 本研究開発領域における同氏の実績

  • キヤノン株式会社 ライフサイエンス系全社横断プロジェクト プロジェクトマネージャー(元)
  • JP2023126848
  • JP2022131964
  • JP2022131965
  • JPWO2019208672
  • JP2021032703
  • JP2021031589
  • JP2019189826
  • WO2021039982
  • JPWO2021039982
  • JP2009300239
  • JP2009276089
  • JP2009204334
  • JP2009204334
  • JP2009030025
  • JP2008268186
  • JP2008232716
  • JP2008151761
  • JP2008056827
  • JP2008056828
  • P2008039692
  • JP2007316061
  • JP2007303997
  • WO2019208672

ライフサイエンス事業部バイオマテリアルセグメント品質方針

■1. 品質宣言

化成品の研究開発、試作合成、製造販売において、以下の方針のもと品質マネジメントシステムを運用します。

  1. 顧客満足の追求 顧客の要求事項および適用される法令・規制要求事項を満たし、高品質な製品とサービスを提供します。
  2. 確実な品質と納期の実現 各プロセスにおいてリスクを適切に管理し、品質確保と納期遵守を徹底します。
  3. 品質目標の達成 年度ごとに具体的な品質目標を設定し、その達成に向けて計画的に取り組みます。
  4. 継続的改善 品質マネジメントシステムの有効性を維持・向上させるため、継続的な改善活動を推進します。

2025年6月1日
由風BIOメディカル株式会社
代表取締役社長 博士(工学)中濵数理

文責

代表取締役社長 博士(工学)中濵数理

■博士(工学)中濵数理

  • 由風BIOメディカル株式会社 代表取締役社長
  • 沖縄再生医療センター:センター長
  • 一般社団法人日本スキンケア協会:顧問
  • 日本再生医療学会:正会員
  • 特定非営利活動法人日本免疫学会:正会員
  • 日本バイオマテリアル学会:正会員
  • 公益社団法人高分子学会:正会員
  • X認証アカウント:@kazu197508

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