オキナワ型再生医療CMO/CDMO

オキナワ型再生医療CMO/CDMO

はじめに

    当社の再生医療事業の詳細は、2022年10月26日~11月7日に株式会社イークラウド様主幹のもと株式公募を実施した株式投資型クラウドファンディング公募ページをご参照ください。

    なお、CMOとは「Contract Manufacturing Organization;医薬品製造受託機関」の略で、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization;医薬品開発製造支援機関)と合わせての市場規模は約5,000億円で、今後10年で年8%の成長率が見込まれています。

    本ページでは「なぜ沖縄で再生医療?」「首都圏でなく再生医療のためにわざわざ沖縄に足を運ぶ(将来の)メリットは?」という視点で補足説明をします。

再生医療とは

    加工した自分の細胞(場合によっては他人の細胞)や血液、組織などを活用して症状の改善を目指す医療/治療方法全般を再生医療といい、薬物などによって病気の改善を目指す従来医療とはアプローチが異なります。

    再生医療というと「iPS細胞」が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、これ以外にも様々な再生医療があります。実際に臨床の現場で実用化されている再生医療項目もたくさんあります。
    ※再生医療項目の例

    • がん免疫再生医療
    • 膝軟骨再生医療
    • 角膜再生医療
    • 口腔粘膜再生医療
    • 歯周組織再生医療
    • 心臓再生医療
    • 美容点滴/注射(脂肪幹細胞/歯髄幹細胞)
    • etc.

    中には保険適用の再生医療項目もありますが、多くはインフォームド・コンセント(医師と患者さんとが十分な情報を共有した上での合意)に基づく自由診療として提供されており、将来的にも自由診療枠の再生医療項目が増え続けると予想されます。

再生医療CMO/CDMOの必要性

    「再生医療」と聞くと漢字綴りの雰囲気から「万能で夢のような医療」という印象があるかもしれません。そういう側面ももちろんありますが、現実を直視すると非常に泥臭い側面も見えてきます。

    その最たるものが「お金の問題」です。

    再生医療でない従来医療の医薬品は、医療メーカーが研究開発し、特許で独占権を獲得し、自社で工場投資して医療機関/患者さんに流通させるのが一般的です。

    これに対し再生医療は、患者さんから採取した細胞等をオーダーメイドで加工/培養することになります。同じ細胞種でも人によって少しずつ個性が違い、個性によって出来上がる細胞製品等の性能が少しずつ違ってくる場合があります。

    つまり従来医療の医薬品のように大量生産/大量消費できないのです。このような事情がある中で、各医療メーカーが個別の再生医療項目のために工場投資するでしょうか?普通は「否」です。投資費用を回収できず赤字を垂れ流すことが明白なので営利企業としてこの判断は妥当です。

    ここで活躍するのが再生医療CMO/CDMOです。各医療メーカーの細胞製品等を製造受託する専門機関があれば、医療メーカー側は工場投資が必要なくなりハッピー、専門機関も製造工程にのみ選択と集中ができるようになりハッピー、患者さんも費用を抑えて再生医療を享受できるようになりハッピーという「三方良し」が成立します。

    なお、再生医療CMO/CDMOは地域毎にあることが理想とされています(細胞製品等は「生モノ」故に長距離輸送に高額費用を要するため)。海に囲まれた沖縄県で患者さんが再生医療を享受するには、再生医療CMO/CDMOを事業として提供する当社のような企業が必要なのです。

再生医療の課題

    最大の課題はやはり「お金の問題」です。

    現在も将来も、多くの再生医療項目は自由診療枠で提供されるため、患者さんの医療費負担は大きく、多くのケースで「再生医療に興味はありつつ二の足を踏む」ことは容易に予想されます。しかし、この状況が悪循環を生み出します。

    患者さんが少ないと、再生医療CMOや医療機関は「値上げをする」か「品質を下げる」かの選択肢に迫られます。しかし、どちらの選択肢を選んでも患者さんの客足は遠のくばかり。グローバルトップレベルとされる日本の再生医療の将来は決して明るいとは言えません。

    現状、再生医療の施術数は「各医療機関の集客力」に依存しきっている状態です。1ヵ月に数百症例を扱う医療機関/再生医療CMOのタッグもいれば、閑古鳥の医療機関/再生医療CMOのタッグもいます。「前者は栄え後者は廃れ」が必然でしょう。しかし、これでは寡占市場が形成されてしまい、患者さんの再生医療に対する医療費負担は改善されません。

    再生医療を身近にしていくためには「医療機関の集客力」に頼らず、再生医療の施術数を上げていく取組みが必要です。そうすれば例え自由診療枠でも再生医療の施術費用は少しずつ下がっていき、この状況が好循環を生み出します。

オキナワ型再生医療のビジネスチャンス

    当社は再生医療の好循環を生み出す取組みとして、「医療機関の集客力」に頼るのではなく「地方の集客力」を利用するビジネスモデルを描いています。

    新型コロナ感染症以前、沖縄県の観光延べ人数はハワイの観光延べ人数を上回っており、次なる目標に「どうすれば長く滞在してもらえるか」「どうすれば観光客に県内消費を喚起できるか」を掲げ、行政と観光リゾート事業者が主体となって様々な企画/施策を打ち出そうとしており、withコロナ/afterコロナにおいてこれらの施策は実を結ぼうとしています。

    また、沖縄県には「沖縄マルチビザ」という海外観光客促進のための行政制度と「アジアの玄関口」としての好立地/ブランド力があり、これらを先の「次なる目標」を達成するために積極的に活用していこうという機運があります。

    ここで観光/来沖の目玉となるのが再生医療CMO/CDMOを起点とする「再生医療ツーリズム」です。

    多種多様な再生医療項目と、患者さんが自身に適切な再生医療を自由に選べる環境、温暖/リゾートでリハビリテーションもエンジョイできる環境を準備することで、行政や既存産業を巻き込んでの集客を実現していくことが、オキナワ型再生医療のビジネスチャンスです。
    ※医療ツーリズムの潜在需要は年間43万人(市場規模5,500億円)と試算されています。

    このビジネスチャンスは県内既存産業とのシナジーを生み出し、沖縄県の地方創世への貢献にもつながります。また、このビジネスチャンスによって再生医療のトータル施術数が増えると施術費用が少しずつ下がり、これにともなって民間保険が再生医療項目をカバーし始めるという好循環が生まれることも期待できます。

オキナワ型再生医療のブランド化

    ここで指すブランドとは信頼性を意図しています。地方の集客力で患者さんを呼び込めたとしてもそれははじめだけ。オキナワ型再生医療に特徴/競争力が備わらなければその状況を継続することはできません。


    当社は「安全安心」と「品質」をオキナワ型再生医療の特徴/競争力とすることでブランド形成を目指しています。

    「安全安心」や「品質」は、単にそれを医療メーカー/細胞工場(再生医療CMO/CDMO)/医薬品輸送事業者/医療機関のような「提供する側」の関係者機関が「内部運用」として担保するだけでは患者さんに実感してもらえません。特に従来医療のように成熟していない/規格化されていない再生医療ではなおさらです。

    「安全安心」や「品質」はそれを「見える化」してはじめて納得感や共感につながります。「なるほど!ここまでしてくれるなら安心だね」と患者さんに納得/共感してもらえる提供体制を真摯に構築していくことがブランド形成には不可欠です。
    ※もちろん「再生医療項目そのもの」に科学的エビデンスがあることは言うに及ばずです。

    再生医療は「再生医療等に関する安全確保等に関する法律(再生医療安確法)」に基づいて提供されます。これに完全準拠することはミニマムであり、誰もが「この法律をさらに上回っているよね!」と見てわかる/聞いてわかる体制を整えることに当社は注力しています。

    1つは、患者さんからお預かりする細胞を加工/培養する細胞工場のスペックと運用方法に関するの取組みです。

    日本を代表するリーディングカンパニーである日立製作所およびそのグループ会社が提供する最新式細胞培養加工施設(CPC)を、当社は再生医療安確法下においてグローバルで唯一採用しており、国内最高峰のインフラで患者さんの細胞を大切にお迎えし、送り出す体制を整えています。
    ※希望される患者さんに施設見学サービスを提供することを企画中です。
    ※経産省や内閣府、再生医療系上場企業も当社インフラの見学にきています。

    もう1つは、再生医療等製品の(再生医療安全確保法下における)流通に関する取組みです。現状、全工程にわたり細胞等製品の個体管理や情報識別するための標準的な仕組みが存在しない中、当社は日立製作所と連携し、将来を見据えた再生医療等製品の統合管理プラットフォームを構築するプロジェクトを進め、推奨モデルを作り上げようとしています。
    ※本プロジェクトの詳細はPRTIMESのプレスリリース記事を参照ください。

    このように、当社は安全安心/品質に関して国内比較でもグローバル比較でも先進的な様々な取り組みを継続的に実施/情報開示することによってオキナワ型再生医療をのブランド化を進め、患者さんが「好んで沖縄県の再生医療を選ぶ将来」を実現していきます。