バイオ3Dプリンタ実用化トライアル

バイオ3Dプリンタ実用化トライアル

はじめに

    当社のバイオ3Dプリンタ関連事業の簡易説明は、2022年10月26日~11月7日に株式会社イークラウド様主幹のもと株式公募を実施した株式投資型クラウドファンディング公募ページをご参照ください。

    本ページでは、当社の「本事業を推進する背景」「事業ターゲット」「優位性」について補足説明をします。

バイオ3Dプリンタとは

    一般的な3Dプリンタで使用される樹脂や金属ではなく、有機物を噴出して形を作る3Dプリンタです。細胞を積み重ねて、生体に近い立体的な組織や臓器を作り出す先端技術です。

    特に、医療分野での産業利用が期待されており、2030年までにその市場価値は3,458百万米ドルに達すると試算されています。現在、バイオ3Dプリンタそのものの研究開発と並行して様々な用途開発が進められています。
    ※バイオ3Dプリンタの応用例

    • 再生医療として骨や血管、神経などの造形
      バイオ3Dプリンタで造形した人工血管の移植や、骨軟骨/神経を再生する臨床試験が国内でも実施されています。
    • 創薬応用
      バイオ3Dプリンタで造形した組織や臓器を使って薬剤候補の効果や毒性を検証でき、動物実験を実施しない新薬開発を実現できる可能性があります。
    • バイオリアクター
      ミニ肝臓やミニ腎臓などを造形し、これらの代謝機能を利用して環境負荷フリーで新しい化合物を創造できる可能性があります。
    • サンゴ礁の復活
      萌芽研究の段階ですが沖縄県として注目していきたい領域です。

      サンゴ礁の白化
    • 人工肉の製造
    • etc.

当社ターゲット

    バイオ3Dプリンタの創薬への応用を主たるターゲットにしています。

    細胞を使った薬剤候補の効果や毒性の検証(これを「スクリーニング」といいます)は、産業として既に形成されています。中でも数万/数十万もの薬剤候補をハイスピードでスクリーニングしていく「ハイスループットスクリーニング」という産業分野は2028億5,571万米ドルもの市場規模です。

    創薬スクリーニング

    近年、単体の細胞を使ったスクリーニングよりも、スフェロイド(複数の細胞から構成される凝集塊)やミニ臓器を使ったスクリーニングの方が、人への効果や毒性に対する信頼性が高いことが明らかになり、新しい形でのハイスループットスクリーニングが産業として急速に成長しつつあります。

    スフェロイドの形成やミニ臓器の造形は、バイオ3Dプリンタの得意領域です。当社は、バイオ3Dプリンタを応用したスクリーニングキットの製造販売やスクリーニングサービスの提供を目指しており、その事業性を検証しています。

当社の優位性

    ハイスループットスクリーニングがどんなに有望市場でも、バイオ3Dプリンタの研究開発をゼロからはじめていてはこの分野の先駆者的企業や大企業に対して勝ち目はありません。

    これに対し、当社は沖縄県主導で実施されたバイオ3Dプリンタに関する過去10年の研究開発成果を活用することによって研究機関と開発費を大きく削減することができます。また、当該研究開発成果であるバイオ3Dプリンタ実機を沖縄県から貸与/譲渡を受けることができます。

    これにより、研究開発のスピード感とコスト競争力の点で当社に大きなアドバンテージが生まれます。

沖縄県主導のバイオ3Dプリンタ開発

    過去10年にわたり「九州大学発ベンチャーである株式会社サイフューズ様の細胞造形技術を株式会社澁谷工業様が大量生産装置として具現化し、琉球大学と佐賀大学で検証する」という枠組みでのプロジェクトが沖縄県主導(県の産業振興委託事業)で進められました。

    株式会社澁谷工業のホームページに「細胞の塊(スフェロイド)を3Dデータ通りに積み上げて、立体的な組織や臓器を製造する世界で初めてのシステムを実現」と記載されている通り、萌芽研究として素晴らしい成果がでています。

    バイオ3Dプリンタ

    当社は、この研究成果をバイオ関連産業事業化促進事業として受け継ぎ、複数の東証プライム上場企業とアライアンス構築(契約により非開示)を進めながら事業化にチャレンジしています。