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【索引】NKT細胞標的治療およびRIKEN-NKT®とは

【索引】NKT細胞標的治療およびRIKEN-NKT®とは

NKT細胞標的治療は、新しいタイプのがん免疫療法です。この治療法は、ナチュラルキラーT(NKT)細胞を活性化し、がん細胞に対する免疫反応を強化することを目的としています。NKT細胞は、「第4のリンパ球」とも呼ばれる特殊な細胞で、免疫抑制環境を改善し、体内の免疫細胞(T細胞NK細胞)を活性化する能力があります。これにより、がん細胞に対する持続的な攻撃が可能となります。従来のがん免疫療法と比較して、NKT細胞標的治療は以下の点で優れています。

RIKEN-NKT®は、独立研究開発法人理化学研究所発のメディカルサイエンス企業である株式会社理研免疫再生医学が研究開発を進めており、創薬事業や先進医療事業として展開しています。

■RIKEN-NKT®に関するお問い合わせ

当社は、独立研究開発法人理化学研究所発のメディカルサイエンス企業である株式会社理研免疫再生医学と業務提携しています。NKT細胞標的治療やRIKEN-NKT®に関するお問い合わせは、「お問い合わせフォーム」もしくは「098-923-0037」からお願いします。沖縄県内外に関わらず、医療技術に関するご質問対応や、正看護師同席での医療相談をお受けしております。

索引

先進医療

先進医療とは、厚生労働大臣に承認された高度な医療技術を用いた治療のことを指します。この医療技術は、主にがん治療や再生医療などの最先端分野で活用されています。

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がんのステージ

がんのステージ(病期)は、がんの進行度を示す指標であり、治療方針や予後の判断に重要な役割を果たします。がんは一般的にステージ0からステージIVまでの5段階に分類されます。ステージは、以下の要素に基づいて決定されます。

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医師主導型臨床

医師主導型臨床とは、医師が主体となって実施する臨床研究や治験のことを指します。この形式は、企業が主導する治験とは異なり、医師自身が研究計画を立て、実施し、結果を評価します。以下に、医師主導型臨床の主要なポイントを説明します。

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治験

治験とは、新しい医薬品や医療機器の有効性(効果)や安全性(副作用)を科学的に確認するための臨床試験のことを指します。治験は、薬が人に対して実際に役立つかどうかを確かめるために行われ、厚生労働省の承認を得るための重要なステップです。

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がんのガイドライン推奨療法

がん治療において最も効果的で安全な治療方法を提供するための指針です。科学的根拠に基づいて作成され、医療従事者はこれらガイドラインに沿って患者に対して最適な治療を提供します。例えば、乳がん治療に関するガイドラインでは、病期(ステージ)や腫瘍のタイプに応じて、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法などの組み合わせが推奨されます。

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非小細胞肺がん

非小細胞肺がんは、肺がんの中で最も一般的なタイプで、全肺がんの約85%を占めます。非小細胞肺がんには以下の主要な組織型があります。

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頭頸部がん

頭頸部がんとは、頭部および頸部の各部位に発生するがんの総称です。具体的には、口腔、咽頭、喉頭、鼻腔、副鼻腔、唾液腺、そして耳や喉の一部に発生するがんが含まれます。

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生存期間中央値

生存期間中央値(Median Survival Time, MST)とは、治療を受けた集団において、50%の患者が生存している期間を示す指標です。具体的には、治療開始後に集団の半数が生存している時点の期間を指します。

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がんの進行停止

がんの進行停止とは、がん細胞の増殖が停止し、がんの大きさや広がりが変化しない状態を指します。この状態では、がんが進行せず、安定した状態が維持されます。がんの進行停止は、定期的な検査(画像検査や腫瘍マーカーの測定)によって確認されます。これにより、がんの大きさや広がりが変化していないことが確認されます。がんの進行停止は患者の生活の質を向上させ、治療の選択肢を広げるために重要な概念です。治療や生活習慣の改善を通じて、この状態を目指すことが治療の一環となります。

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部分寛解

部分寛解(partial response)は、がん治療の効果判定の一つで、治療によって腫瘍の大きさが減少し、症状が改善された状態を指します。これは、完全にがんが消滅した状態ではないものの、腫瘍の縮小や症状の軽減が確認され、治療が一定の効果を示したことを意味します 。

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完全寛解

完全寛解は、がん治療の結果として、がんによる症状がすべて消失し、検査でも異常が見られなくなった状態を指します。但し、完全寛解は治療の一つの大きな目標ですが、継続的な経過観察と検査が必要となります。具体的には、次のような特徴があります。

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QOL

がん治療におけるQOL(Quality of Life:生活の質)とは、がん患者が治療を受けながら、可能な限り快適で自分らしい生活を送ることを目的とした総合的な概念です。例えば、がん治療に伴う副作用(痛み、吐き気、疲労など)の管理や軽減などが挙げられます。QOLの向上は、患者が治療中でも生活の質を高く保ち、治療効果を最大化するための重要な要素です。

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がん免疫治療(がん免疫療法)

がん免疫療法は、患者の免疫システムを利用してがん細胞を攻撃する治療法で、例えば免疫チェックポイント阻害剤や患者自身の免疫細胞を培養・強化して再投与する免疫細胞療法などが挙げられます。免疫療法はがん細胞だけを狙い撃ちするため、副作用が少ないとされ、従来の治療法で効果がなかったがんに対しても有効な場合があります。ただし、効果が証明された免疫療法は一部に限られ、治療法ごとに適応するがんの種類が異なります。

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リンパ細胞(リンパ球)

リンパ細胞は、免疫系の重要な構成要素であり、体内に侵入した異物(抗原)を認識して排除する役割を持つ白血球の一種です。リンパ細胞は血液やリンパ液を通じて全身を巡回し、異物が侵入した場合には迅速に反応して免疫応答を引き起こします。これにより、体内の健康を維持する役割を果たしています

抗原(がん抗原)

がん抗原とは、がん細胞の表面に存在する特定のタンパク質や分子のことを指します。これらの抗原は、正常な細胞には見られないもので、免疫システムががん細胞を識別し攻撃するための目印となります。がん抗原には、腫瘍特異抗原(TSA)と腫瘍関連抗原(TAA)があります。TSAはがん細胞に特異的に発現する抗原で、TAAはがん細胞および一部の正常細胞に発現する抗原です。がん抗原の研究は、がんの診断やがん免疫療法のような新しい治療法の進展に大きく寄与しています。

抗体

抗体とは、免疫システムの一部として働くタンパク質で、病原体や異物に対して特異的に結合し、これを排除する役割を持ちます。

免疫チェックポイント

免疫チェックポイントは、免疫細胞が正常な細胞と異物を区別するために使う制御機構の一つです。具体的には、T細胞の表面に存在する受容体が、異物を攻撃するかどうかの指示を受け取ります。このシステムにより、免疫細胞が自己免疫反応を防ぎ、体を守る役割を果たします。しかし、がん細胞はこの免疫チェックポイントを利用して免疫から逃れることがあります。免疫チェックポイント阻害薬は、これを解除し、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする薬剤です。

アジュバント効果

アジュバント効果とは、ワクチンや薬剤の効果を高めるために用いられる補助物質がもたらす作用を指します。アジュバントは、ラテン語の「助ける」という意味を持つ “adjuvare” に由来し、ワクチンと一緒に投与されることで免疫反応を強化する役割を果たします 。具体的には、アジュバントは抗原の取り込みを促進し、自然免疫受容体を刺激することで、樹状細胞などの抗原提示細胞を活性化します。これにより、体内の免疫系がより効果的に病原体を認識し、排除できるようになります。

INF-γ(インターフェロンガンマ)

インターフェロンガンマ(IFN-γ)は、主にT細胞NK細胞から分泌されるサイトカインで、免疫応答において重要な役割を果たします。具体的には、以下のような働きを持っています。

パーフォリン効果

パーフォリンは、NK細胞やキラーT細胞が分泌するタンパク質です。このタンパク質は、標的となる細胞の膜に穴を開ける働きを持ちます。これにより、細胞内にグランザイムという酵素が注入され、標的細胞にアポトーシス(プログラムされた細胞死)を引き起こすことができます。このメカニズムは、感染細胞やがん細胞の除去において重要な役割を果たしています 。

グランザイム効果

グランザイムは、NK細胞やキラーT細胞が標的細胞を殺傷するために分泌する一群のセリンプロテアーゼです。これらの酵素は、標的細胞に侵入してカスパーゼを活性化し、アポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導することで、がん細胞や感染細胞を除去する働きを持ちます。

血管新生

血管新生(angiogenesis)とは、既存の血管から新たな血管が形成される生理現象を指します。これは、成長、修復、炎症応答など、体内で重要な役割を果たします。具体的には、以下のような場面で見られます。

がん治療においては、血管新生を阻害することが、がんの成長を抑えるための有効な手段として研究されています

免疫記憶

免疫記憶とは、免疫系が過去に遭遇した病原体や異物を記憶し、再度同じ病原体に遭遇した際に迅速かつ効果的に反応する能力のことを指します。この現象により、同じ感染症に対してより強力で迅速な免疫応答が可能になります。免疫記憶には以下の特徴があります。

免疫記憶は主にメモリーT細胞とメモリーB細胞によって担われています。これらの細胞は初回感染後に形成され、再感染時に迅速に活性化されます。ワクチン接種もこの免疫記憶の仕組みを利用しており、病原体に対する防御を強化します

細胞間のシグナル伝達カスケード

細胞間のシグナル伝達カスケードとは、細胞外からの刺激やシグナルを受け取り、それを細胞内で増幅し、特定の細胞内標的に導く一連の反応の連鎖を指します。このプロセスは、細胞の機能変化、遺伝子の転写調節、細胞成長や分化、アポトーシス(細胞死)など、さまざまな生理的反応を引き起こすために重要です。主なシグナル伝達カスケードの一例として、Ras/Raf/MEK/ERK (MAPK) カスケードがあります。このカスケードは、細胞の成長や分化、細胞骨格の再編成に関与しています。ERK1およびERK2は、シグナル伝達カスケードを介して細胞の成長や分化に影響を与えます。シグナル伝達カスケードの一般的な流れは以下の通りです。

αガラクトシルセラミド

αガラクトシルセラミド(α-GalCer)は、スフィンゴ糖脂質の一種であり、主にNKT細胞を活性化するために使用されます。NKT細胞は、免疫システムの一部として重要な役割を果たし、サイトカインの産生を誘導します。この物質は、海綿の一種であるAgelas mauritianusの抽出物から発見され、がん免疫療法などにおいて抗腫瘍効果が期待されています。α-GalCerは、抗原提示細胞の一種であるCD1d分子に結合し、NKT細胞の活性化を促進します。これにより、NKT細胞がサイトカインを大量に分泌し、がん細胞の攻撃を強化します。このプロセスは、がん治療やその他の免疫関連疾患の治療において非常に有望な方法とされています

ケモカイン

ケモカインは、主に白血球の遊走を誘導するサイトカインの一種です。これらのタンパク質は、体内の炎症部位や特定の細胞から分泌され、Gタンパク質共役受容体を介してその作用を発現します。ケモカインは細胞遊走活性を主機能とし、生体内での細胞の移動や局在を制御します。現在、ヒトでは40種以上のケモカインが報告されており、それぞれが異なる細胞から構成的あるいは誘導性に産生されています。ケモカインは特定の白血球細胞表面の受容体に結合し、特定部位への誘因や体内での移動を引き起こすことで、免疫応答や炎症反応に重要な役割を果たします。

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執筆者

■博士(工学)中濵数理

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