
がん免疫療法とは?保険適用・先進医療・高度化の最新動向を解説
■はじめに:がん免疫療法とは?第4の選択肢としての新たな可能性
がん免疫療法とは、体の免疫機能を活用してがん細胞を攻撃・排除する治療法です。従来の手術・放射線・抗がん剤治療に加え、「第4の選択肢」として注目されており、患者自身の免疫システムを活性化させることでがんの進行を抑えることを目的としています。
近年、がん免疫療法は急速に発展し、従来の治療法と組み合わせることで治療効果を高める研究も進んでいます。本記事では、がん免疫療法の基本概念や種類、保険適用の現状、そして今後の展望について詳しく解説します。
■がん免疫療法のメカニズム
がん細胞は、通常の免疫機能を回避する巧妙なメカニズム(がん組織の免疫逃避機構)を持っています。例えば、獲得免疫であるT細胞を抑制することで、体の免疫反応を妨げています。
近年のがん免疫療法は、この免疫のブレーキ(がん組織の免疫逃避機構)を解除し、がん細胞への攻撃を強化することを目的としています。そのため、免疫療法のターゲットは、免疫細胞の活性化を阻害する因子や、がん細胞自体の排除に必要な免疫系の強化にあります。
光免疫療法のように特殊なメカニズムでがん細胞を攻撃するがん免疫療法もあります。
■保険適用される代表的ながん免疫療法の種類
(1) BCG免疫療法(BCG膀胱内注入療法)
BCG(Bacillus Calmette-Guérin:バシラス・カルメット・ゲラン)免疫療法は、結核菌を利用したがん免疫療法です。BCG免疫療法製剤を膀胱内に注入されることで、免疫システムを刺激し、がん細胞を攻撃する免疫細胞の活性化を促進します。この療法は、第一世代のがん免疫療法にも関わらず、再発予防において抗がん剤よりも高い効果が期待されます。
- 代表的なBCG免疫療法製剤
- イムノブラダー(一般名:乾燥BCG膀胱内用)
- 適応がん種
- ハイリスク筋層非浸潤性膀胱がん
- 上皮内がん
- 中リスクの一部、高リスク、超高リスクの一部の筋層非浸潤性膀胱がん
(2) 免疫チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫系の攻撃を回避する仕組みを解除し、T細胞の攻撃力を回復させる治療薬です。がん細胞は「免疫のブレーキ」をかける分子(PD-1/PD-L1やCTLA-4)を発現し、T細胞の攻撃を抑制します。
なお、免疫チェックポイントとは、免疫応答を制御する仕組みで、がん細胞が免疫の攻撃を逃れるために利用している免疫システム(がん細胞の免疫逃避機構)のことです。
- 代表的な免疫チェックポイント阻害剤
- 適応がん種
- 肺がん
- 胃がん
- 悪性黒色腫 etc.
(3) CAR-T細胞療法(キメラ抗原受容体T細胞療法)
CAR-T療法とは、患者のT細胞を遺伝子改変し、がん細胞を特異的に攻撃できるようにする療法です。キメラは、ギリシャ神話に登場するライオンの頭、山羊の胴、蛇の尾を持つ怪物ですが、ここでいう「キメラ抗原受容体」とは、「がん細胞に指向性を有した状態」と「がん細胞への攻撃力が高まった状態」という2種類の機能が共存していることに由来します。
- 代表的なCAR-T療法
- 適応がん種
- 白血病
- 悪性リンパ腫 etc.
(4) 光免疫療法
光免疫療法は、がん細胞に特異的な薬剤を使用し、がん治療の新しい手法として注目されています。この療法は、がん細胞の表面に存在する抗原に結合する抗体に光感受性物質を結合させた薬剤を点滴投与し、がん細胞に極めて選択的に作用します。
この療法では、薬剤ががん細胞に集まった後にレーザー光を照射します。光が薬剤に作用することで成分が活性化され、がん細胞を破壊します。具体的には、薬剤ががん細胞に取り込まれると、光に反応して化学反応を引き起こし、がん細胞を選択的に攻撃します。
- 代表的な光免疫療法
- アキャルックス®(一般名:セツキシマブサロタロカンナトリウム)
- 適応がん種
- 切除不能な局所進行
- 局所再発の頭頸部がん
■がん免疫療法と保険適用の現状
現在、免疫チェックポイント阻害剤やCAR-T療法の一部は保険適用されており、国内外での利用が拡大しています。ただし、治療費が高額であるため、患者の経済的負担を軽減するための新たな制度整備も求められています。光免疫療法についても、一部の適応がん種で保険適用が進んでおり、今後の拡大が期待されています。
■ここまでのまとめ
がん免疫療法は、手術や放射線治療に続く「第4の選択肢」として注目されています。特に、保険適用される免疫チェックポイント阻害剤やCAR-T療法、光免疫療法などは、がん治療の新たな可能性を広げています。今後の研究と制度改革によって、さらに多くの患者が負担を軽減しながら治療を受けられる未来が期待されます。
がん免疫療法の発展と進歩|世代ごとの進化と最新技術
がん免疫療法は、がん治療の分野で急速に発展しており、その進歩は世代ごとに大きな変革を遂げてきました。従来の手術・放射線・抗がん剤に加え、免疫システムを活用した治療法が登場し、より効果的ながん治療が可能になっています。ここでは、第一世代から第五世代までのがん免疫療法の進化について詳しく解説します。
■第一世代のがん免疫療法(1970年代)
第一世代のがん免疫療法のコンセプトは、非特異的に免疫系を活性化し、がん細胞への攻撃力を高めることにあります。
このため、第一世代のがん免疫療法は、細菌やキノコ由来の免疫療法剤を活用し、感染症に対する免疫反応を利用してがん細胞に働きかける方法が中心でした。特にBCG療法(Bacillus Calmette-Guérin療法)は、膀胱がん治療において有効性が認められ、現在も使用されています。しかし、この世代の治療法は効果の持続性が課題でした。
■代表的な第一世代のがん免疫療法
(1) 食事療法
アガリクス、メシマコブ、フコイダン、フコキサンチンなど免疫賦活作用をも食べ物やサプリメントをがん予防ががん治療に応用。
(2) 丸山ワクチン
結核菌体成分から抽出した物質を研究し、免疫賦活作用を持つことを発見。これをがんに応用した治療法。BCG免疫療法と共通点が多い。
(3) BCG免疫療法(Bacillus Calmette-Guérin Therapy)
結核菌由来のBCG(Bacillus Calmette-Guérin)を用いて免疫系を刺激し、がん細胞を攻撃させる療法。
(4) コーリー毒素療法(Coley’s Toxins Therapy)
溶連菌や大腸菌の毒素を投与し、免疫反応を強化してがん細胞を攻撃する治療法。
(5) レバミゾール療法(Levamisole Therapy)
駆虫薬として開発されたレバミゾールが、免疫系を刺激する作用を持つことが判明し、がん治療に適用。
(6) リポポリサッカライド(LPS)療法
グラム陰性菌由来のリポポリサッカライド(LPS)を投与し、マクロファージや樹状細胞を活性化させる治療法。
(7) 免疫アジュバント療法(Immune Adjuvant Therapy)
ワクチンや免疫療法の効果を高める補助物質(アジュバント)を利用して免疫を活性化する治療法。
■第二世代のがん免疫療法(1980年代)
第二世代のがん免疫療法のコンセプトは、サイトカイン療法を中心に、免疫細胞を特異的に活性化し、がん細胞への攻撃力を高めることにあります。
1980年代に入ると、免疫システムを強化するサイトカイン療法が登場しました。インターロイキン-2を利用し、免疫細胞の活性化を促進することで、がん細胞の排除を試みました。しかし、強い副作用と効果の持続性、副作用が課題となり、さらなる研究が求められることとました。
■代表的な第二世代のがん免疫療法
(1) サイトカイン療法(Cytokine Therapy)
免疫細胞を活性化するためのサイトカイン(免疫調節因子)を投与し、がん細胞への攻撃力を高める治療法。
- インターロイキン-2療法
T細胞やナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し、がん細胞を攻撃する。 - インターフェロン(IFN-α, IFN-γ)
免疫細胞の活性化やがん細胞の増殖抑制を促す。
(2) 免疫細胞活性化療法(Immune Cell Activation Therapy)
体内の免疫細胞を強化し、がん細胞への攻撃力を高める治療法。
- LAK療法(Lymphokine-Activated Killer Therapy)
インターロイキン-2を用いてリンパ球を活性化し、がん細胞を攻撃する。 - NK細胞療法(Natural Killer Cell Therapy):ANK療法(活性化NK細胞療法)
ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し、がん細胞を排除する。
■第三世代のがん免疫療法(1990年代)
第三世代のがん免疫療法のコンセプトは、特異的な免疫細胞を活性化・増強し、がん細胞への攻撃をより選択的かつ持続的に行うことにあります。但し、第三世代のがん免疫療法と第四世代のがん免疫療法には連続性があるため、分類の仕方には諸説あり、意見が分かれています。
1990年代には、活性化リンパ球療法などの特異的なアプローチが導入されました。患者のリンパ球を採取し、体外で活性化させた後に体内へ戻すことで、がん細胞への攻撃力を向上させることが狙いです。しかし、治療効果の安定性と持続性が課題となり、新たな技術開発が進められることとなりました。
■代表的な第三世代のがん免疫療法
(1) 活性化リンパ球療法(Activated Lymphocyte Therapy)
患者のリンパ球を体外で活性化・増殖させ、再び体内に戻してがん細胞を攻撃させる治療法。
- αβT細胞療法(アルファ・ベータT細胞療法)
がんに対して攻撃力の強いT細胞を活性化し、増殖させて患者の体内に戻す治療法。 - γδT細胞療法(ガンマ・デルタT細胞療法)
がん組織の免疫逃避機構に影響を受けにくいγδT細胞を対象とし、それを体外で活性化させて増殖させた後、患者の体内に戻すことによって免疫力を強化し、がんを攻撃する治療法。 - LAK療法(Lymphokine-Activated Killer Therapy)
インターロイキン-2を用いてナチュラルキラー(NK)細胞やT細胞を活性化し、がん細胞を攻撃する方法。
(2) TIL療法(Tumor-Infiltrating Lymphocyte Therapy)
がん組織内に浸潤したT細胞(TIL)を培養し、増殖させた後に患者へ投与する方法。
(3) 6種複合免疫療法
リンパ球をインターロイキン-2中で培養し、増殖、分化を促し、患者の体内にもどすことによって、強化した免疫力でがんを攻撃する治療法。
■第四世代のがん免疫療法(2000年代)
第四世代のがん免疫療法のコンセプトは、個別化医療の概念を取り入れ、がん細胞特異的な免疫応答を誘導することにあります。但し、第三世代のがん免疫療法と第四世代のがん免疫療法には連続性があるため、分類の仕方には諸説あり、意見が分かれています。
2000年代に入ると、がんワクチン療法が登場しました。ペプチドワクチンや樹状細胞ワクチンを活用し、がん細胞に特異的な免疫反応を引き起こすことを目的としました。また、個別化医療の概念が浸透し、患者ごとのがん細胞の特性に基づいた治療が求められるようになりました。特にネオアンチゲンを用いた個別化ワクチンが注目され、さらなる高度化が進められています。
■代表的な第四世代のがん免疫療法
(1) ペプチドワクチン療法(Peptide Cancer Vaccine)
がん細胞の特異的なペプチド(タンパク質断片)を投与し、免疫系を活性化することでがん細胞を攻撃する治療法。
(2) 樹状細胞ワクチン療法(Dendritic Cell Vaccine)
患者自身の樹状細胞(免疫細胞)を体外で培養し、がん抗原を提示させることでT細胞の活性化を促す治療法。樹状細胞とは、免疫系の司令塔のような働きをする免疫細胞の1種。
(3) 個別化がんワクチン(Personalized Cancer Vaccine)
患者のがん細胞を解析し、特定の抗原に対して免疫反応を引き起こすワクチンを作成する治療法。
■第五世代のがん免疫療法(2020年代以降)
第五世代のがん免疫療法のコンセプトは、免疫機能を高度に制御し、より強力かつ持続的ながん細胞の排除を実現することにあります。
治療の精密化と効果の最大化を両立することのできる免疫チェックポイント阻害剤や、CAR-T細胞療法、光免疫療法などの革新的技術が生み出され、がん免疫療法の医療技術としての進化が一気に進みました。今後、個別化医療とどのように統合していくが問われています。
■代表的な第五世代のがん免疫療法
(1) 免疫チェックポイント阻害剤(ICI: Immune Checkpoint Inhibitors)
がん細胞が免疫のブレーキをかける仕組み(がん組織の免疫逃避機構)を阻害し、T細胞の攻撃を促進する治療法。
(2) CAR-T細胞療法(Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy)
患者自身のT細胞を遺伝子改変し、がん細胞を特異的に攻撃する治療法。主に血液がんに適応される。
(3) 光免疫療法(Photoimmunotherapy)
がん細胞に特異的に結合する抗体に光感受性物質を付加し、レーザー光を照射することで選択的にがん細胞を破壊する治療法。
(4) ネオアンチゲンワクチン療法(Personalized Cancer Vaccine)
がん細胞の遺伝子変異を解析し、個別に設計されたワクチンを用いて免疫系を活性化する治療法。
(5) mRNAワクチン療法(mRNA Cancer Vaccine)
メッセンジャーRNA(mRNA)を用いてがん抗原を体内で産生させ、免疫系を活性化する治療法。
(6) DNAワクチン療法(DNA Cancer Vaccine)
がん細胞に特異的な遺伝子情報を含むDNAを投与し、免疫応答を誘導する治療法。
■ここまでのまとめ
がん免疫療法は、第一世代から第五世代にかけて大きな進歩を遂げてきました。初期の細菌由来療法から始まり、サイトカイン療法、活性化リンパ球療法、がんワクチン療法を経て、現在では免疫チェックポイント阻害剤や光免疫療法といった最先端の技術が実用化されています。
これらの治療法の発展により、がん治療の選択肢が拡大し、より効果的で副作用の少ない治療が可能になっています。今後もがん免疫療法の高度化が進み、新たな治療法の開発が期待されています。
がん免疫療法「NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®)」とは?最新のがん免疫治療との位置付け
NKT細胞標的治療は、がん免疫療法の一つであり、特定国立研究開発法人理化学研究所によって研究開発された革新的ながん免疫治療です。2010年には、千葉大学医学部にてステージ3bおよびステージ4の非小細胞肺がん を対象とした医師主導型臨床試験(フェーズ2) が実施され、高い治療効果が確認されました。
その後、理化学研究所発のメディカルサイエンス企業である株式会社理研免疫再生医学がさらなる研究開発を進め、「RIKEN-NKT®」としてブランド化されたこの治療法は、培養技術や品質管理基準が高度化され、保存安定性にも優れた再生医療として完成度が高まっています。
■NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®)は第何世代のがん免疫療法か?
がん免疫療法には、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代、第5世代という進化の流れがあります。NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®)は、がん細胞への攻撃を選択的かつ持続的に行い、高い攻撃力を持つという特徴を踏まえると、第4世代のがん免疫療法に分類されます。
一方、その作用機序が「がん組織の免疫逃避機構」を解除する免疫チェックポイント阻害剤と類似している点や、その優れた治療効果を考慮すると、第5世代のがん免疫治療に分類することも可能です。
■NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®)の特徴とメリット
(1) 高い治療効果と優れた安全性
免疫チェックポイント阻害剤は、効果が高い一方で重篤な副作用を伴うことが課題とされています。一方、NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®)は、副作用がほとんどなく、安全性に優れたがん免疫療法です。仮に副作用が生じた場合でも、その影響は「瞑眩(めんげん)」と呼ばれる軽微な症状にとどまると報告されています。
(2) がん免疫療法としての新たな可能性
RIKEN-NKT®は、NKT細胞を活性化することで免疫環境を改善し、免疫システム全体でがん細胞を攻撃するがん免疫治療であり、従来の治療法と比較しても高い奏効率が期待されています。今後、がん治療の新たな選択肢としての確立が進むことが期待される最先端の免疫療法です。
■ここまでのまとめ
NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®)は、理化学研究所が開発し、臨床試験で高い治療効果を示した最新のがん免疫療法です。
その作用機序や効果の高さから、第4世代のがん免疫療法に分類される一方で、免疫チェックポイント阻害剤と同様にがん細胞の免疫逃避機構を解除することから、第5世代のがん免疫治療としての位置付けも可能です。
さらに、副作用が極めて少なく、安全性が高いことが大きな強みとなっています。RIKEN-NKT®は、今後のがん免疫療法の進化を牽引する注目の治療法として期待されています。
最後のまとめ
がん免疫療法について、保険が適用されるものから適用外のものまで、歴史をさかのぼりながら紹介しました。ここで取り上げた治療法には、驚くほど効果がないものもあれば、驚くほど効果があるものも存在します。そして、その効果は患者一人ひとりの体質や症状によっても大きく異なります。
つまり、「保険適用だから効果がある」「最新の治療法だから優れている」といった単純な基準で判断することはできません。がん免疫療法は、それほどまでに複雑な分野なのです。そのため、最後にNKT細胞標的治療(RIKEN-NKT®) を紹介することで、がん免疫療法が決して単純なものではないことを改めて伝えたいと考えました。
以前、とある識者が「保険適用されていないがん免疫療法は効果がないからこそ適用外なのだ。患者が希望しても、医師が勧めても、効果のない治療を受けるべきではない」といった趣旨の論評を寄稿しているのを読んだことがあります。
確かに、実際には効果が低いまま市場に出回っているがん免疫療法も存在します。しかし、その意見を鵜呑みにしてしまうことで、最も適した治療の選択肢を見逃してしまう可能性もあるのではないかと考えています。
但し、保険が適用されないがん免疫療法は、高額な治療費を自己負担しなければならない点は大きな課題です。現状、多くの患者さんは、がん保険の「がんと診断された際に用途を問わず一括で給付される制度」を利用し、治療費に充てているケースが多いと聞いています。
現在は、インターネットを利用すれば、かつて専門家しかアクセスできなかった情報を誰でも簡単に手に入れることができます。AIに質問すれば、大抵のことは即座に答えが返ってきます。情報に対する不安がある場合でも、ファクトチェックを通すだけでその精度を飛躍的に向上させることが可能です。
がん免疫療法に限らず、がん治療全般においても、あるいはがん以外の疾病においても、患者自身が積極的に調べ、医師としっかり話し合うことが非常に重要です。患者さん、ご家族、医療従事者の全員が納得したうえで治療を進められる未来が実現することを願い、がん免疫療法というテーマを通じて本稿を執筆しました。
なお、由風BIOメディカルでは、がん免疫療法について、学術的な内容から臨床現場での実際まで、幅広くご相談をお受けしています。学術的な話については本執筆者が、臨床的な相談については正看護師が同席のうえで対応させていただきます。
また、医療機関のご紹介も可能ですので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。ただし、興味本位でのお問い合わせはご遠慮いただけますようお願いいたします。
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がん保険を選ぶ際は、一時金が充実しているかが重要です。診断時にまとまった金額を受け取ることで、治療費や生活費の負担を軽減できます。がん免疫療法は自由診療が多く、保険適用外となるケースがあるため、一時金が有効です。がん保険選びは専門の相談窓口で比較することが大切です。自分に合った補償内容を選び、将来の選択肢を広げましょう。
執筆者
中濵数理2-300x294.png)
■博士(工学)中濵数理
- 由風BIOメディカル株式会社 代表取締役社長
- 沖縄再生医療センター:センター長
- 一般社団法人日本スキンケア協会
:顧問 - 日本再生医療学会:正会員
- 特定非営利活動法人日本免疫学会:正会員
- 日本バイオマテリアル学会:正会員
- 公益社団法人高分子学会:正会員
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