ためしてガッテンの目の下のたるみを取る方法|医学的検証と正しい改善法

ためしてガッテンの目の下のたるみを取る方法|医学的検証と正しい改善法

目の下のたるみは、年齢を重ねるにつれて多くの人が直面する美容上の悩みです。NHKの人気番組「ためしてガッテン」では、自宅で簡単に実践できる目の下のたるみを取る方法が紹介され、大きな反響を呼びました。しかし、テレビで紹介された方法が本当に医学的に正しいのか、また、どのような症状に対して効果があるのかについては、十分に検証されていない部分もあります。そのため、番組で紹介された内容を鵜呑みにせず、医学的根拠に基づいて正しく理解することが重要です。

目の下のたるみには、皮膚の弾力低下、眼輪筋の衰え、眼窩脂肪の突出、リンパや血流の滞りなど、複数の原因が複雑に絡み合っています【文献1】。したがって、一つの方法だけですべてのたるみを改善することは困難であり、原因に応じた適切なアプローチが必要となります。また、加齢による構造的な変化が進行している場合には、セルフケアだけでは限界があり、医療機関での治療が必要になることもあります。本記事では、ためしてガッテンで紹介された方法の内容を詳しく解説するとともに、その効果と限界について医学的観点から検証します。

さらに、目の下のたるみを改善するために自宅でできる正しいセルフケア方法や、医療機関で受けられる治療法についても詳しく紹介します。皮膚科学や形成外科学の知見に基づいた情報を提供することで、読者の皆様が自身の症状に合った最適な方法を選択できるよう支援します。目の下のたるみを取る方法について正確な知識を身につけ、若々しい目元を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。

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ためしてガッテンで紹介された目の下のたるみを取る方法

NHKの番組「ためしてガッテン」では、これまでに複数回にわたり顔のたるみやシワに関する特集が放送されました。特に2008年4月2日放送の「医学的に解明された顔のシワ・たるみの超意外な真実を大公開!」と、2021年6月2日放送の「たるみも口臭もシャットアウト!マスク時代の新お悩み解消術」では、目の下のたるみを改善するための具体的な方法が紹介され、多くの視聴者から関心を集めました。これらの放送で紹介された方法は、自宅で簡単に実践でき、特別な器具や費用を必要としない点が特徴です。

番組で紹介された方法の中心的な考え方は、顔を直接触らずにリンパの流れを促進するという点にあります。目の周りの皮膚は他の部位と比較して約3分の1程度の厚さしかなく、強い摩擦や刺激を受けると皮膚の弾力を支えるリガメント(靭帯)が伸びてしまい、かえってたるみを悪化させる可能性があります。したがって、顔を直接触らずに体全体のリンパの流れを改善することで、むくみや老廃物の排出を促し、結果として目の下のたるみを軽減しようとする方法が提案されました。

また、表情筋を鍛えることで目の周りの筋肉を活性化させ、皮膚のたるみを予防・改善する方法も紹介されました。顔には30種類以上の表情筋が存在しており、これらの筋肉が衰えると皮膚を支える力が弱まり、たるみやシワが生じやすくなります。そのため、適切なエクササイズによって表情筋を鍛えることは、目の下のたるみの予防に有効であると考えられています。次に、具体的に紹介された方法について詳しく見ていきます。

■1. リンパマッサージによるたるみ改善法

2008年の放送で紹介されたリンパマッサージは、顔を直接触らずにリンパの流れを促進する方法です。リンパ液は体内の老廃物や余分な水分を運搬する役割を担っており、その流れが滞るとむくみやたるみの原因となります。リンパ管には心臓のようなポンプ機能がないため、筋肉の動きや外部からの刺激によって流れを促進する必要があります。このマッサージは、鎖骨周辺のリンパ節を刺激することで、顔全体のリンパの流れを改善することを目的としています。

リンパマッサージの手順は非常にシンプルであり、まず肩を大きく回して肩甲骨周辺の筋肉をほぐします。この動作により、上半身全体の血流とリンパの流れが促進されます。次に、鎖骨の下にあるくぼみ部分を指の腹で優しくさすります。このくぼみには鎖骨下リンパ節が存在しており、ここを刺激することで上半身のリンパ液が静脈に戻りやすくなります。さらに、耳の下から首筋を通って鎖骨へと手を滑らせることで、顔のリンパ液を下方へ流します。

[1] リンパマッサージの具体的な手順

リンパマッサージを効果的に行うためには、正しい手順を守ることが重要です。以下に、ためしてガッテンで紹介された具体的な手順を示します。

  1. 肩まわし:両肩を後ろに向かって大きく回し、肩甲骨を動かすことを意識します。前回し10回、後ろ回し10回を目安に行います。
  2. 鎖骨マッサージ:鎖骨の下のくぼみに指の腹を当て、円を描くように優しくさすります。皮膚をこすらず、皮膚と一緒に動かすイメージで3回程度行います。
  3. 耳下から鎖骨へのリンパ流し:耳のすぐ下に指を当て、首筋に沿って鎖骨のくぼみまで手を滑らせます。人差し指と中指で耳を挟むようにして行うと効果的です。
  4. 仕上げ:最後にもう一度鎖骨のくぼみをさすり、リンパ液の流れを促進します。この動作でマッサージを完了します。

このリンパマッサージは1日2回、朝と夜に行うことが推奨されています。朝は顔のむくみを取り除き、夜は一日の疲れやリンパの滞りを解消する効果が期待できます。ただし、強い力で行うと逆効果になるため、あくまでも優しく、皮膚に負担をかけないように行うことが重要です。また、マッサージオイルやクリームを使用すると、摩擦を減らしてより効果的に行うことができます。番組では、この方法を継続することで目の周りのむくみが軽減され、たるみの改善が期待できるとされました。

■2. ニパニパ体操による表情筋トレーニング

2021年の放送で紹介されたニパニパ体操は、表情筋を鍛えることで顔のたるみを改善する方法です。特に大頬骨筋という、こめかみから口角にかけて走る筋肉を鍛えることに焦点を当てています。大頬骨筋は笑顔を作る際に使われる筋肉であり、この筋肉が衰えると口角が下がり、頬全体がたるんで見えるようになります。また、大頬骨筋の衰えは目の下のたるみにも間接的に影響を与えるため、この筋肉を鍛えることは顔全体の若々しさを保つために重要です。

ニパニパ体操の方法は非常にシンプルであり、声を出しながら口の形を変えることで表情筋を動かします。まず、「ニ」と声を出しながら口を横に大きく開き、その状態を5秒間キープします。このとき、口角をできるだけ上に引き上げるように意識することで、大頬骨筋が効果的に収縮します。次に、「パ」と声を出しながら口を脱力させ、筋肉をリラックスさせます。この動作を繰り返すことで、筋肉の収縮と弛緩を交互に行い、筋力を強化します。

[1] ニパニパ体操の実施方法と期待される効果

ニパニパ体操を効果的に行うためには、正しいフォームと頻度を守ることが大切です。以下に、具体的な実施方法を時系列で示します。

  1. 準備:鏡の前に立ち、姿勢を正します。リラックスした状態で行うことが重要です。
  2. 「ニ」の形:声を出しながら口を「ニ」の形に大きく開き、口角を上に引き上げます。この状態を5秒間キープし、大頬骨筋が硬くなっているか確認します。
  3. 「パ」の形:「パ」と声を出しながら口を開き、すべての筋肉を脱力させます。この動作により筋肉がリラックスします。
  4. 繰り返し:この動作を10回繰り返します。1日3セット行うと効果的とされています。

ニパニパ体操は表情筋を鍛えるだけでなく、顔全体の血行を促進する効果もあります。筋肉を動かすことで血流が改善され、肌に必要な栄養素や酸素が届きやすくなります。その結果、肌のターンオーバーが正常化し、目の下のシワやくすみの予防にもつながります。ただし、この体操は予防的な効果が中心であり、すでに進行している目の下のたるみを劇的に改善する効果は限定的です。継続的に行うことで、たるみの進行を遅らせる効果が期待できるとされています。

■3. その他の体操とエクササイズ

ためしてガッテンでは、ニパニパ体操以外にも、目の周りの筋肉を鍛えるエクササイズがいくつか紹介されました。眼輪筋は目の周りを囲む輪状の筋肉であり、まばたきや目を閉じる動作を担っています。この筋肉が衰えると、目の下の皮膚を支える力が弱まり、たるみが生じやすくなります。したがって、眼輪筋を鍛えることは目の下のたるみ予防に直接的な効果があるとされています。

眼輪筋を鍛えるエクササイズとしては、眼球を上下左右にゆっくりと動かす方法や、目を強く閉じてからパッと開く動作を繰り返す方法などが紹介されました。また、下まぶたを下方へ、目尻を外側へ、上まぶたを上方へとそれぞれ引っ張りながら目を閉じる動作も効果的とされています。これらのエクササイズは、眼輪筋だけでなく、目の周りの血行を促進し、リンパの流れを改善する効果もあるとされました。ただし、間違った方法で行うと、かえって皮膚に負担をかけてシワやたるみの原因となる可能性があるため、医師や専門家の指導を受けることが望ましいとされています。

[1] 眼輪筋エクササイズの種類と実施上の注意点

眼輪筋を鍛えるエクササイズにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる効果が期待できます。以下に代表的なエクササイズを並列的に示します。

  • 眼球回し:眼球を時計回りに5回、反時計回りに5回ゆっくりと回します。視野を大きく使うことで眼輪筋が刺激されます。
  • 強いまばたき:目を強く閉じて5秒間キープし、その後パッと目を開きます。この動作を10回繰り返します。
  • 方向別まばたき:下まぶた、目尻、上まぶたをそれぞれ異なる方向に引っ張りながら目を閉じます。各方向5回ずつ行います。
  • 遠近視点移動:近くの物と遠くの物を交互に見つめることで、目の筋肉全体を動かします。各10秒ずつ、5回繰り返します。

これらのエクササイズを行う際には、いくつかの注意点があります。まず、無理に力を入れすぎないことが重要です。筋肉を過度に緊張させると、かえって疲労が蓄積し、頭痛や肩こりの原因となることがあります。また、皮膚を引っ張る動作を伴うエクササイズでは、優しく行い、摩擦を最小限に抑えることが必要です。さらに、コンタクトレンズを装用している場合は、外してから行うことが推奨されます。エクササイズは毎日継続することで効果が現れるため、無理のない範囲で習慣化することが大切です。



ためしてガッテン式の方法に関する医学的検証

ためしてガッテンで紹介された目の下のたるみを取る方法は、自宅で手軽に実践できる点で多くの視聴者から支持を得ました。しかし、これらの方法が医学的にどの程度の効果を持つのか、また、どのような症状に対して有効なのかについては、慎重に検証する必要があります。医学的な観点から見ると、リンパマッサージや表情筋エクササイズは一定の効果が期待できる一方で、その効果には限界があり、すべての目の下のたるみに対して万能ではないことを理解する必要があります。

目の下のたるみの原因は複数あり、それぞれの原因に対して適切なアプローチが異なります。リンパの流れの滞りや血行不良が主な原因である場合、リンパマッサージは有効な手段となります。また、表情筋の衰えが原因である場合には、ニパニパ体操などのエクササイズが予防や軽度の改善に役立ちます。しかし、加齢による皮膚の弾力低下や眼窩脂肪の突出が主な原因である場合、セルフケアだけでは十分な改善効果を得ることは困難です【文献2】。

さらに、顔を直接触らないという番組のアプローチは、皮膚への負担を減らす点で理にかなっています。しかし、リンパマッサージの効果は一時的なむくみの解消に留まることが多く、構造的なたるみの改善には限界があります。したがって、ためしてガッテン式の方法は予防や軽度の症状改善には有効ですが、進行した目の下のたるみに対しては、医療機関での治療を検討する必要があります。次に、各方法の医学的な妥当性について詳しく見ていきます。

■1. リンパマッサージの医学的効果と限界

リンパマッサージは、リンパ液の流れを促進することでむくみや老廃物の排出を助ける方法として、医療現場でも用いられています。特にリンパ浮腫の治療においては、専門的なリンパドレナージュという手技が確立されており、その効果は医学的にも認められています。ためしてガッテンで紹介された方法は、この専門的な手技を簡略化したものであり、一般の人が自宅で実践できるように工夫されています。

リンパマッサージの効果は主に、一時的なむくみの解消にあります。顔のむくみは、前日の塩分摂取量や睡眠不足、長時間の同じ姿勢などによってリンパの流れが滞ることで生じます。このような一時的なむくみに対しては、リンパマッサージは有効な手段となります。しかし、加齢による構造的な変化、すなわち皮膚の弾力低下や眼窩脂肪の突出によって生じる目の下のたるみに対しては、リンパマッサージだけでは根本的な改善は期待できません【文献3】。

[1] リンパマッサージが有効な症状と無効な症状

リンパマッサージの効果を理解するためには、どのような症状に対して有効で、どのような症状に対して無効なのかを明確にすることが重要です。以下に、その分類を示します。

  • 有効な症状:一時的なむくみによる目の下の腫れ、朝起きたときの目の周りのむくみ、リンパの流れの滞りによる軽度のたるみ感、疲労やストレスによる目元のどんより感。
  • 限定的に有効な症状:軽度の眼輪筋の衰えによるたるみ、血行不良による目の下のくすみ、初期段階の目の下のたるみ。
  • 無効な症状:眼窩脂肪の突出による目の下の膨らみ、加齢による皮膚の弾力低下によるたるみ、涙袋靭帯の緩みによる構造的なたるみ、深く刻まれた目の下のシワ。

このように、リンパマッサージは一時的なむくみの解消には効果がありますが、構造的な変化によるたるみに対しては効果が限定的です。したがって、自分の目の下のたるみがどの原因によるものなのかを正確に把握し、適切な対処法を選択することが重要です。また、リンパマッサージを行う際には、強い力で皮膚をこすらないこと、毎日継続すること、生活習慣の改善と併用することが効果を高めるポイントとなります。

■2. 表情筋エクササイズの医学的妥当性

表情筋を鍛えることで顔のたるみを予防・改善しようという考え方は、理論的には妥当性があります。顔には30種類以上の表情筋が存在し、これらの筋肉が皮膚を支えています。加齢や表情筋の使用頻度の低下によって筋肉が衰えると、皮膚を支える力が弱まり、たるみが生じやすくなります。したがって、表情筋を意識的に動かすことで筋力を維持し、たるみを予防する効果は期待できます。

しかし、表情筋エクササイズにも限界があります。まず、すでに進行している目の下のたるみを劇的に改善する効果は限定的です。表情筋のトレーニングは、筋肉の萎縮を防ぎ、現状を維持することには有効ですが、失われた皮膚の弾力を回復させることはできません。また、間違った方法でエクササイズを行うと、かえって皮膚に負担をかけてシワやたるみを悪化させる可能性があります【文献4】。

[1] 表情筋エクササイズの効果を高めるための条件

表情筋エクササイズを効果的に行うためには、いくつかの条件を満たす必要があります。以下に、その条件を時系列で示します。

  1. 早期開始:たるみが進行する前の20代後半から30代前半の段階で開始することが理想的です。予防的な効果が最も高い時期です。
  2. 正しいフォーム:間違った方法で行うと逆効果になるため、専門家の指導を受けるか、信頼できる情報源に基づいて実践します。
  3. 継続的な実施:毎日継続して行うことで筋力が維持され、効果が現れます。週に数回程度では十分な効果は得られません。
  4. 他のケアとの併用:エクササイズだけでなく、保湿ケアや紫外線対策などのスキンケアと併用することで、より高い効果が期待できます。

表情筋エクササイズは、これらの条件を満たすことで初めて効果を発揮します。特に重要なのは、早期に開始し、継続することです。すでに深刻なたるみが生じている場合には、エクササイズだけでは改善が困難であり、医療機関での治療を検討する必要があります。また、エクササイズを行う際には、皮膚を過度に引っ張ったり、強い力で動かしたりしないよう注意が必要です。

■3. 顔を触らないアプローチの科学的根拠

ためしてガッテンで強調された「顔を直接触らない」というアプローチは、皮膚科学の観点から見ると理にかなっています。顔の皮膚、特に目の周りの皮膚は非常に薄く、摩擦や刺激に弱い構造をしています。皮膚を過度にこすったり、強く引っ張ったりすることは、皮膚のバリア機能を低下させ、炎症やシワ、たるみの原因となります。また、皮膚と骨をつなぐリガメント(靭帯)が伸びてしまうと、皮膚が下垂しやすくなります。

リガメントは、加齢とともに自然に緩んでいきますが、外部からの物理的な刺激によってもその過程が加速されます。特に、頬骨靭帯、下顎靭帯、涙袋靭帯などは、顔のたるみに深く関与しており、これらが緩むとほうれい線や目の下のたるみが顕著になります。したがって、顔を直接触らずにリンパの流れを改善するというアプローチは、皮膚とリガメントへの負担を最小限に抑えるという点で優れています【文献5】。

[1] 皮膚への刺激を避けるべき理由と正しいケア方法

皮膚への過度な刺激を避けるべき理由は、皮膚の構造と機能に関係しています。以下に、その理由と正しいケア方法を示します。

  • 皮膚バリア機能の低下:強い摩擦は角層を傷つけ、水分保持能力が低下します。その結果、乾燥やシワが生じやすくなります。
  • リガメントの伸展:皮膚を繰り返し引っ張ることで、リガメントが伸びて皮膚が下垂しやすくなります。一度伸びたリガメントは元に戻りません。
  • 色素沈着のリスク:摩擦による慢性的な炎症は、メラニン色素の沈着を引き起こし、目の周りのくすみやクマの原因となります。
  • コラーゲン線維の損傷:過度な刺激は真皮層のコラーゲン線維を損傷し、皮膚の弾力を低下させます。

これらの理由から、目の周りのケアは特に慎重に行う必要があります。クレンジングや洗顔の際には、優しく丁寧に行い、決して強くこすらないことが重要です。また、マッサージを行う場合には、顔を直接触らない方法を選ぶか、十分な量のオイルやクリームを使用して摩擦を最小限に抑えることが推奨されます。ためしてガッテンで紹介された顔を触らないリンパマッサージは、この点において理想的なアプローチであると言えます。

■4. ためしてガッテン式の方法が適している人と適していない人

ためしてガッテンで紹介された方法は、すべての人に等しく効果があるわけではありません。その効果は、目の下のたるみの原因や進行度、年齢、生活習慣などによって大きく異なります。したがって、自分がこの方法の対象となるかどうかを見極めることが重要です。一般的に、予防を目的とする若い世代や、軽度のむくみやたるみを抱える人には効果が期待できます。

一方で、すでに深刻な目の下のたるみが生じている人や、眼窩脂肪の突出が顕著な人には、セルフケアだけでは十分な改善効果は得られません。このような場合には、医療機関での専門的な治療が必要となります。また、皮膚疾患を抱えている人や、目の周りに炎症がある人は、マッサージやエクササイズを行う前に医師に相談することが推奨されます【文献6】。

[1] ためしてガッテン式の方法の適応と非適応

ためしてガッテン式の方法がどのような人に適しており、どのような人に適していないかを明確にするため、以下に分類を示します。

  • 適している人:20代後半から30代でたるみ予防を目指す人、一時的なむくみによる目の下の腫れが気になる人、軽度の表情筋の衰えを感じている人、医療機関での治療に抵抗がある人、費用をかけずにセルフケアを継続したい人。
  • 部分的に適している人:40代で軽度から中等度のたるみがある人、リンパの流れの滞りや血行不良が主な原因の人、生活習慣の改善と併用できる人。
  • 適していない人:眼窩脂肪の突出が顕著な人、皮膚の弾力が大きく失われている人、涙袋靭帯の緩みによる構造的なたるみがある人、即効性を求める人、皮膚疾患や炎症がある人。

このように、ためしてガッテン式の方法には明確な適応と限界があります。自分の症状がどのカテゴリーに当てはまるかを冷静に判断し、必要に応じて医療機関での診察を受けることが重要です。また、セルフケアを行う場合でも、正しい方法で継続的に実践し、効果が感じられない場合には速やかに専門家に相談することが推奨されます。



目の下のたるみが発生する医学的メカニズム

目の下のたるみを効果的に改善するためには、その発生メカニズムを正確に理解することが不可欠です。目の下のたるみは単一の原因によって生じるのではなく、皮膚、筋肉、脂肪組織、靭帯などの複数の構造が加齢や外的要因によって変化することで発生します。これらの変化は相互に関連しており、一つの要因だけを改善しても十分な効果が得られないことがあります。したがって、包括的な理解が重要です。

加齢に伴う目の下のたるみは、内因性老化と外因性老化の両方が関与しています。内因性老化は遺伝的要因や自然な加齢プロセスによるものであり、皮膚のコラーゲンエラスチンの減少、細胞の再生能力の低下などが含まれます【文献7】。一方、外因性老化は紫外線、喫煙、生活習慣などの環境要因によって引き起こされるものであり、光老化とも呼ばれます。これらの老化プロセスが組み合わさることで、目の下のたるみが形成されます。

目の下の解剖学的構造は非常に複雑であり、眼球を支える眼窩脂肪、それを包む眼窩隔膜、皮膚を動かす眼輪筋、皮膚そのもの、そしてこれらを支えるリガメントなどが精密に配置されています。加齢によってこれらの構造がそれぞれ変化することで、目の下のたるみが多様な形態で現れます。次に、具体的な発生メカニズムについて詳しく見ていきます。

■1. 皮膚の弾力低下とコラーゲン・エラスチンの減少

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層構造から成り立っており、このうち真皮層が皮膚の弾力とハリを維持する上で最も重要な役割を果たしています。真皮層にはコラーゲン線維とエラスチン線維が網目状に配置されており、これらが皮膚の強度と弾力性を提供しています。コラーゲンは皮膚の乾燥重量の70~80%を占める主要な構造タンパク質であり、エラスチンは全体の2~4%と少量ですが、皮膚の伸縮性に重要な役割を果たしています【文献8】。

加齢に伴い、真皮層の線維芽細胞の機能が低下し、コラーゲンエラスチンの産生量が減少します。研究によれば、80歳以上の高齢者の皮膚に含まれるコラーゲン量は、若年成人の約25%にまで減少することが報告されています【文献9】。また、既存のコラーゲン線維も断片化や変性が進み、構造的な整合性が失われます。さらに、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)という酵素の発現が増加し、コラーゲンエラスチンの分解が促進されることも明らかになっています【文献10】。

[1] コラーゲンとエラスチンの変化過程

コラーゲンエラスチンの減少は段階的に進行し、それぞれの段階で異なる症状が現れます。以下に、その変化過程を時系列で示します。

  1. 20代後半~30代前半:線維芽細胞の活性が緩やかに低下し始め、コラーゲンの新規合成速度が減少します。この段階では目立った症状は現れませんが、皮膚の回復力が低下し始めます。
  2. 30代後半~40代:コラーゲンエラスチンの減少が加速し、皮膚の弾力性が目に見えて低下します。乾燥による小ジワが目立ち始め、軽度のたるみが感じられるようになります。
  3. 50代以降:コラーゲンの減少が顕著となり、皮膚の厚みも薄くなります。エラスチン線維の変性が進み、一度伸びた皮膚が元に戻りにくくなります。目の下のたるみが明確に認識されるようになります。
  4. 60代以降:コラーゲンエラスチンの量が大幅に減少し、皮膚の構造的支持力が著しく低下します。深いシワと顕著なたるみが生じ、目の下の袋状の膨らみが目立つようになります。

このように、コラーゲンエラスチンの減少は長期にわたって進行するため、早期からの予防的なケアが重要です。紫外線対策、適切な保湿、抗酸化物質の摂取などによって、コラーゲンの分解を抑制し、産生を促進することが可能です。また、コラーゲンペプチドの経口摂取によって皮膚の弾力性が改善されるという研究結果も報告されています【文献11】。

■2. 眼輪筋の衰えと筋力低下

眼輪筋は目の周りを囲む輪状の筋肉であり、まばたきや目を閉じる動作を担っています。この筋肉は眼窩脂肪が前方に突出するのを防ぐ役割も果たしており、眼輪筋の筋力が維持されていれば、目の下の膨らみは目立ちにくくなります。しかし、加齢や表情筋の使用頻度の低下によって眼輪筋が衰えると、眼窩脂肪を支える力が弱まり、目の下のたるみが生じやすくなります。

現代のライフスタイルは、眼輪筋の衰えを加速させる要因に満ちています。特に、パソコンやスマートフォンの長時間使用によってまばたきの回数が減少すると、眼輪筋の運動量が低下し、筋力が衰えやすくなります。正常なまばたき回数は1分間に15~20回程度ですが、画面を注視している際には1分間に5~10回程度にまで減少することが報告されています。このまばたきの減少は、眼輪筋の衰えだけでなく、ドライアイや眼精疲労の原因にもなります。

[1] 眼輪筋の機能と衰えによる影響

眼輪筋の衰えがもたらす影響は多岐にわたります。以下に、その主な影響を示します。

  • 眼窩脂肪の突出:眼輪筋眼窩脂肪を押さえる力が弱まることで、脂肪が前方に突出し、目の下の膨らみが形成されます。
  • 皮膚支持力の低下:眼輪筋は皮膚を内側から支える役割を果たしており、筋力が低下すると皮膚がたるみやすくなります。
  • 血行不良:筋肉の動きが少なくなると、目の周りの血流が悪化し、栄養や酸素の供給が不足します。その結果、肌の代謝が低下します。
  • リンパの滞り:眼輪筋の収縮と弛緩はリンパの流れを促進する役割も果たしており、筋力低下によってリンパが滞りやすくなります。

眼輪筋の衰えを防ぐためには、意識的に目の周りの筋肉を動かすことが重要です。ためしてガッテンで紹介されたようなエクササイズは、この目的において一定の効果が期待できます。ただし、すでに筋力が大幅に低下している場合や、眼窩脂肪の突出が顕著な場合には、エクササイズだけでは十分な改善効果は得られず、医療機関での治療が必要となります。

■3. 眼窩脂肪の突出とその原因

眼球は頭蓋骨のくぼみ(眼窩)の中に位置しており、その周囲を眼窩脂肪というクッション状の脂肪組織が取り囲んでいます。眼窩脂肪は眼球を外部の衝撃から保護し、眼球の動きを滑らかにする役割を果たしています。この眼窩脂肪は通常、眼窩隔膜という薄い膜によって眼窩内に保持されていますが、加齢によって眼窩隔膜が緩むと、眼窩脂肪が前方に突出し、目の下の膨らみとして現れます【文献1】。

眼窩脂肪の突出は、目の下のたるみの中でも特に目立つ症状であり、疲れた印象や老けた印象を与える主要な原因となります。眼窩脂肪は内側、中央、外側の三つの脂肪区画に分かれており、それぞれが独立して突出することもあれば、複数の区画が同時に突出することもあります。突出のパターンは個人差が大きく、遺伝的要因や生活習慣によっても異なります。

[1] 眼窩脂肪突出のメカニズムと関連要因

眼窩脂肪が突出する主なメカニズムと、それに関連する要因を以下に示します。

  • 眼窩隔膜の弱化:加齢によってコラーゲン線維が減少し、眼窩隔膜の強度が低下します。その結果、脂肪を保持する力が弱まります。
  • 眼輪筋の筋力低下:前述のように、眼輪筋が衰えると眼窩脂肪を押さえる力が弱まり、脂肪が前方に押し出されやすくなります。
  • 眼窩骨の加齢変化:研究によれば、加齢に伴って眼窩の骨構造が変化し、眼窩の容積が拡大することが報告されています。これにより、眼球がやや後退し、相対的に眼窩脂肪が前方に突出しやすくなります【文献4】。
  • 眼球の位置変化:靭帯の緩みや眼窩骨の変化によって、眼球の位置がわずかに下方に移動することがあり、これも眼窩脂肪の突出を助長します。

眼窩脂肪の突出は、セルフケアでは改善が困難な症状です。リンパマッサージやエクササイズでは、構造的に突出した脂肪を元の位置に戻すことはできません。この症状に対しては、医療機関での経結膜脱脂術ハムラ法などの外科的治療、あるいはヒアルロン酸注入による凹凸の補正などが有効な治療法となります。眼窩脂肪の突出が目の下のたるみの主要な原因である場合には、早期に専門医に相談することが推奨されます。

■4. 紫外線による光老化の影響

紫外線は皮膚老化の最も重要な外的要因であり、特にUV-Aは真皮層まで到達してコラーゲンエラスチンに直接ダメージを与えます。紫外線によって引き起こされる皮膚の老化は光老化と呼ばれ、内因性老化とは異なるメカニズムで進行します。光老化では、真皮層にエラストーシスという異常なエラスチンの蓄積が生じることが特徴的であり、これが皮膚のたるみやシワの主要な原因となります【文献12】。

紫外線に曝露されると、皮膚内で活性酸素種(ROS)が大量に発生します。活性酸素は細胞やタンパク質、DNAに酸化ストレスを与え、線維芽細胞の機能を低下させます。また、紫外線は直接的にマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の発現を増加させ、コラーゲンエラスチンの分解を促進します。特にMMP-1(コラゲナーゼ)とMMP-12(エラスターゼ)の活性が高まることが知られています【文献13】。

[1] 紫外線が引き起こす皮膚の変化

紫外線による光老化は、複数の段階を経て進行します。以下に、その変化過程を時系列で示します。

  1. 急性期反応(曝露直後~数日):紫外線曝露により炎症反応が生じ、活性酸素が大量に発生します。この段階では日焼けによる紅斑や炎症が主な症状です。
  2. 亜急性期(数週間~数ヶ月):繰り返し紫外線に曝露されることで、MMPの発現が持続的に増加し、コラーゲンの分解が進みます。小ジワが目立ち始めます。
  3. 慢性期(数年~数十年):長期的な紫外線曝露により、真皮層のコラーゲンが著しく減少し、異常なエラスチン(エラストーシス)が蓄積します。深いシワとたるみが形成されます。
  4. 進行期(数十年以上):皮膚の構造的支持力が大幅に失われ、顕著なたるみとシワが生じます。皮膚の厚みも薄くなり、透明感が低下します。

紫外線による光老化を防ぐためには、年間を通じた紫外線対策が不可欠です。日焼け止めの使用、帽子やサングラスの着用、紫外線の強い時間帯の外出を避けるなどの対策が重要です。特に目の周りの皮膚は薄く、紫外線のダメージを受けやすいため、目元専用の日焼け止めを使用することが推奨されます。また、抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど)の摂取や外用も、光老化の予防に有効です。

■5. リガメント(靭帯)の緩みと顔の下垂

顔の皮膚は、リガメントと呼ばれる線維性の靭帯によって骨に固定されています。リガメントは皮膚と骨をつなぐ支持構造であり、顔の立体的な形状を維持する上で重要な役割を果たしています。主要なリガメントには、眼窩リガメント、頬骨リガメント、下顎リガメントなどがあり、これらが加齢によって緩むことで、皮膚が下垂し、たるみが生じます。

特に目の下のたるみに関与するのは、涙袋靭帯(ティアトラフリガメント)と眼窩リガメントです。涙袋靭帯は目の下の領域を支えており、この靭帯が緩むと目の下の皮膚と脂肪が下方に移動し、たるみや涙袋の下の溝(涙袋溝)が目立つようになります。リガメントの緩みは主に加齢によって生じますが、外部からの物理的刺激(強いマッサージや皮膚を引っ張る動作)によっても加速されることがあります。

[1] リガメントの緩みを防ぐための注意点

リガメントの緩みを防ぎ、その進行を遅らせるためには、以下の注意点を守ることが重要です。

  • 強い摩擦を避ける:クレンジングや洗顔の際に、顔を強くこすらないことが重要です。特に目の周りは優しく扱う必要があります。
  • 過度なマッサージを避ける:顔を強く引っ張ったり、過度な力でマッサージしたりすることは、リガメントに負担をかけます。
  • 表情筋エクササイズの適切な実施:間違った方法での顔のエクササイズは、リガメントを伸ばす原因となります。正しい方法を学ぶことが重要です。
  • 急激な体重変化を避ける:急激に体重が減少すると、顔の脂肪も減少し、リガメントへの負担が増加します。
  • うつぶせ寝を避ける:うつぶせで寝ると、顔に重力がかかり、リガメントに持続的な負荷がかかります。仰向けで寝ることが推奨されます。

リガメントの緩みは一度進行すると元に戻すことが困難であり、予防が最も重要です。ためしてガッテンで強調されていた「顔を直接触らない」というアプローチは、リガメントへの負担を最小限に抑えるという点で理にかなっています。リガメントの緩みが顕著に進行している場合には、医療機関でのリフトアップ治療や糸リフトなどの施術が有効な選択肢となります。



自宅でできる目の下のたるみ改善法

目の下のたるみを自宅で改善するためには、原因に応じた適切なアプローチを継続的に実践することが重要です。セルフケアは医療機関での治療と比較すると効果が緩やかですが、早期から開始し、正しい方法で継続することで、たるみの進行を遅らせ、軽度から中等度の症状を改善することが可能です。また、医療機関での治療を受けた後のアフターケアとしても、セルフケアは重要な役割を果たします。

自宅でできる目の下のたるみ改善法は、大きく分けてスキンケア、生活習慣の改善、エクササイズの三つのカテゴリーに分類されます。スキンケアでは、保湿、紫外線対策、抗酸化物質の使用などが中心となります。生活習慣の改善では、睡眠、食事、ストレス管理などが重要です。エクササイズでは、前述したためしてガッテン式の方法を含め、適切な方法で表情筋を鍛えることが効果的です。

ただし、セルフケアには限界があることを理解しておく必要があります。眼窩脂肪の突出が顕著な場合や、皮膚の弾力が大幅に失われている場合、リガメントの緩みが進行している場合などには、セルフケアだけでは十分な改善効果は得られません。このような場合には、医療機関での治療を検討することが推奨されます。次に、具体的なセルフケアの方法について詳しく見ていきます。

■1. 適切な保湿ケアと目元専用化粧品の使用

保湿は目の下のたるみ予防と改善において最も基本的かつ重要なケアです。目の周りの皮膚は他の部位と比較して皮脂腺が少なく、角層も薄いため、乾燥しやすい特徴があります。乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、外部からの刺激に対して脆弱になるだけでなく、小ジワが目立ちやすくなり、たるみの進行も早まります。したがって、十分な保湿によって皮膚の水分保持能力を高めることが不可欠です。

保湿成分には様々な種類がありますが、特に効果的なのはセラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどです。セラミドは角層の細胞間脂質の主要成分であり、皮膚のバリア機能を維持する上で重要な役割を果たします。ヒアルロン酸は1グラムで約6リットルの水分を保持する能力があり、真皮層の水分保持に寄与します。グリセリンは吸湿性が高く、角層の水分を保持する効果があります。これらの成分が配合された化粧品を使用することで、目の周りの皮膚の保湿状態を改善できます。

[1] 効果的な保湿ケアの実践方法

保湿ケアを効果的に行うためには、正しい手順と適切な製品選択が重要です。以下に、保湿ケアの具体的な方法を時系列で示します。

  1. クレンジング:メイクを優しく丁寧に落とします。目元専用のポイントメイクリムーバーを使用し、コットンに十分な量を含ませて、押さえるように優しくオフします。横にこすらないことが重要です。
  2. 洗顔:ぬるま湯で顔全体を軽く濡らし、洗顔料をしっかりと泡立てます。泡を顔に乗せるようにして洗い、特に目の周りは指の腹で優しく洗います。すすぎは十分に行い、洗顔料が残らないようにします。
  3. 化粧水:洗顔後すぐに化粧水を手のひらに取り、顔全体に優しくなじませます。目の周りには特に丁寧に、パッティングせずに押さえるようになじませます。
  4. 美容液:目元専用の美容液を使用する場合は、この段階で適量を指先に取り、目の下に点置きしてから、内側から外側に向かって優しく伸ばします。
  5. アイクリーム:目元専用のクリームを薬指に適量取り、目の周りに優しく塗布します。薬指は力が入りにくいため、目元のケアに適しています。
  6. 乳液・クリーム:顔全体に乳液またはクリームを塗布し、水分を閉じ込めます。目の周りにも忘れずに塗布しますが、過度に重ね塗りしないよう注意します。

保湿ケアは朝晩の1日2回、継続して行うことが重要です。特に夜のケアは、睡眠中の皮膚の修復をサポートするため、十分に時間をかけて丁寧に行うことが推奨されます。また、季節や環境によって皮膚の乾燥度は変化するため、冬季や乾燥した環境では、より保湿力の高い製品を使用することが効果的です。目元の保湿を十分に行うことで、小ジワの予防や皮膚のバリア機能の維持が可能となり、結果として目の下のたるみの進行を遅らせることができます。

■2. 徹底した紫外線対策

紫外線は皮膚老化の最大の外的要因であり、目の下のたるみを予防するためには、年間を通じた徹底的な紫外線対策が不可欠です。前述したように、紫外線は真皮層のコラーゲンエラスチンを破壊し、光老化を引き起こします。特にUV-Aは窓ガラスも透過するため、屋内にいる場合でも油断はできません。したがって、季節や天候に関わらず、毎日紫外線対策を行うことが重要です。

紫外線対策の基本は日焼け止めの使用です。日焼け止めは、SPF(Sun Protection Factor)とPA(Protection grade of UVA)の両方の指標を確認して選ぶ必要があります。SPFはUV-Bに対する防御指標であり、PAはUV-Aに対する防御指標です。日常生活ではSPF30、PA+++程度の製品で十分ですが、長時間屋外にいる場合にはSPF50+、PA++++の製品を選ぶことが推奨されます。目の周りは皮膚が薄く敏感なため、刺激の少ない目元専用の日焼け止めを使用することが理想的です。

[1] 紫外線対策の実践方法と注意点

効果的な紫外線対策を実践するためには、以下の方法と注意点を守ることが重要です。

  • 日焼け止めの適切な使用:顔全体に500円玉大の量を使用し、目の周りにも忘れずに塗布します。2~3時間ごとに塗り直すことで、持続的な効果が得られます。
  • 物理的な防御:帽子、サングラス、日傘などを併用することで、紫外線の曝露を最小限に抑えます。特にサングラスは目の周りの皮膚を直接保護するため効果的です。
  • 時間帯の配慮:紫外線が最も強い午前10時から午後2時の時間帯は、できるだけ外出を避けるか、日陰を選んで行動します。
  • 曇りの日も対策:UV-Aは雲を透過するため、曇りの日でも紫外線対策は必要です。天候に関わらず日焼け止めを使用します。
  • 屋内での対策:窓際にいる時間が長い場合は、屋内でも日焼け止めを使用するか、UVカットフィルムを窓に貼ることが推奨されます。
  • 反射光への注意:水面、雪面、コンクリートなどは紫外線を反射するため、これらの環境では特に注意が必要です。

紫外線対策は一時的に行うのではなく、長期的に継続することで効果が現れます。若い頃から紫外線対策を徹底している人とそうでない人では、40代以降の皮膚の状態に明確な差が生じることが研究によって示されています【文献14】。したがって、目の下のたるみを予防するためには、できるだけ早い段階から紫外線対策を習慣化することが重要です。

■3. 抗酸化物質の摂取と外用

抗酸化物質は、活性酸素による酸化ストレスを軽減し、皮膚の老化を遅らせる効果があります。活性酸素は紫外線、ストレス、喫煙、大気汚染などによって体内で発生し、細胞やタンパク質にダメージを与えます。抗酸化物質はこれらの活性酸素を中和し、細胞を保護する役割を果たします。代表的な抗酸化物質には、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイド、コエンザイムQ10などがあります。

抗酸化物質は経口摂取と外用の両方で効果が期待できます。経口摂取では、食事やサプリメントから摂取することで、体内の抗酸化システムを強化し、全身の細胞を酸化ストレスから保護します。外用では、化粧品に配合された抗酸化物質が皮膚に直接作用し、局所的な抗酸化効果を発揮します。特にビタミンC誘導体は、コラーゲン合成を促進する効果もあるため、目の下のたるみ予防に有効です【文献15】。

[1] 効果的な抗酸化物質とその摂取・使用方法

抗酸化物質を効果的に活用するためには、種類と摂取・使用方法を理解することが重要です。以下に、主要な抗酸化物質とその方法を示します。

  • ビタミンC:コラーゲン合成を促進し、メラニン生成を抑制します。柑橘類、イチゴ、ブロッコリーなどから摂取でき、化粧品ではビタミンC誘導体として配合されます。朝の使用で紫外線対策との相乗効果が得られます。
  • ビタミンE:細胞膜を保護し、脂質の酸化を防ぎます。ナッツ類、植物油、アボカドなどに多く含まれます。ビタミンCと併用することで相乗効果が期待できます。
  • ポリフェノール:緑茶カテキン、レスベラトロール、アントシアニンなどが代表的です。緑茶、赤ワイン、ベリー類などから摂取できます。抗炎症作用も持ち、皮膚の老化を多角的に予防します。
  • カロテノイド:ベータカロテン、リコピン、ルテインなどがあります。ニンジン、トマト、ほうれん草などの色の濃い野菜に多く含まれます。紫外線による酸化ストレスから皮膚を保護します。
  • コエンザイムQ10:細胞のエネルギー産生に関与し、抗酸化作用を持ちます。魚類、肉類に含まれ、化粧品としても使用されます。加齢とともに体内での産生が減少するため、補給が推奨されます。

抗酸化物質の摂取は、バランスの取れた食事を基本とし、必要に応じてサプリメントで補うことが推奨されます。ただし、サプリメントの過剰摂取は健康リスクを伴うことがあるため、適切な用量を守ることが重要です。外用の抗酸化化粧品は、夜のスキンケアに取り入れることで、睡眠中の皮膚の修復をサポートする効果が期待できます。抗酸化物質の摂取と外用を組み合わせることで、目の下のたるみの予防効果が高まります。

■4. 生活習慣の改善

目の下のたるみは、日々の生活習慣と密接に関係しています。睡眠不足、栄養バランスの偏った食事、過度なストレス、喫煙、過度な飲酒などは、すべて皮膚の老化を促進し、目の下のたるみを悪化させる要因となります。したがって、これらの生活習慣を改善することは、目の下のたるみの予防と改善において極めて重要です。生活習慣の改善は即効性はありませんが、長期的には最も効果的なアプローチの一つです。

特に重要なのは、質の高い睡眠を確保することです。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、皮膚の修復や細胞の再生が活発に行われます。睡眠不足が続くと、この修復プロセスが不十分となり、皮膚の老化が加速します。また、睡眠不足はコルチゾールというストレスホルモンの分泌を増加させ、コラーゲンの分解を促進することも明らかになっています。したがって、毎日7~8時間の質の高い睡眠を確保することが推奨されます。

[1] 目の下のたるみ予防に効果的な生活習慣

生活習慣の改善によって目の下のたるみを予防するためには、以下の習慣を取り入れることが効果的です。

  • 十分な睡眠:毎日7~8時間の睡眠を確保し、就寝時刻を一定に保ちます。仰向けで寝ることで、顔に重力がかからず、たるみの進行を遅らせることができます。
  • バランスの取れた食事:タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取します。特にコラーゲンの材料となるタンパク質と、その合成に必要なビタミンCの摂取が重要です。
  • 適度な運動:週に3~4回、30分程度の有酸素運動を行うことで、全身の血流が改善され、肌の代謝も向上します。
  • ストレス管理:瞑想、ヨガ、趣味の時間などを通じて、ストレスを適切に管理します。慢性的なストレスはコルチゾールの分泌を増加させ、皮膚の老化を促進します。
  • 禁煙:喫煙は血管を収縮させ、皮膚への酸素と栄養の供給を妨げます。また、活性酸素を大量に発生させ、コラーゲンの分解を促進します。
  • 節度ある飲酒:過度なアルコール摂取は脱水を引き起こし、皮膚の乾燥とむくみの原因となります。適度な量に留めることが重要です。
  • 適切な水分補給:1日1.5~2リットルの水分を摂取することで、皮膚の水分保持能力が高まり、肌の代謝も改善されます。

これらの生活習慣の改善は、すぐに目に見える効果をもたらすわけではありませんが、長期的に継続することで、皮膚の健康状態が大幅に改善されます。特に若い段階から健康的な生活習慣を確立しておくことで、将来的な目の下のたるみの予防に大きな効果が期待できます。生活習慣の改善は、スキンケアやエクササイズと併用することで、より高い効果を発揮します。

■5. 目元への刺激を最小限にする日常的配慮

目の周りの皮膚は非常に薄く、刺激に対して敏感です。したがって、日常生活において目元への刺激を最小限に抑えることは、目の下のたるみを予防する上で極めて重要です。無意識に行っている習慣が、実は目元のたるみを悪化させている可能性があります。これらの習慣を見直し、目元に優しい行動を心がけることで、たるみの進行を遅らせることができます。

特に注意すべきは、目をこする習慣です。花粉症やアレルギーによる目のかゆみ、コンタクトレンズの装着、眼精疲労などによって、無意識に目をこすってしまうことがあります。しかし、目をこする動作は皮膚とリガメントに大きな負担をかけ、たるみやシワの原因となります。また、コンタクトレンズの装着・脱着時に目の下やまぶたの皮膚を引っ張る習慣も、同様にたるみの原因となります。

[1] 目元への刺激を避けるための日常的な注意点

日常生活において目元への刺激を最小限に抑えるためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 目をこすらない:かゆみがある場合は、こすらずに冷たいタオルで冷やすか、抗アレルギー点眼薬を使用します。どうしても我慢できない場合は、指の腹で優しく押さえる程度に留めます。
  • コンタクトレンズの適切な扱い:装着・脱着時に皮膚を引っ張らないよう、鏡を見ながら慎重に行います。ハードコンタクトレンズは眼瞼下垂のリスクが高いため、可能であればソフトコンタクトレンズへの変更を検討します。
  • アイメイクの優しい落とし方:前述のように、ポイントメイクリムーバーを使用し、こすらずに落とします。ウォータープルーフのマスカラなどは、専用のリムーバーで確実に落とします。
  • タオルでの拭き方:洗顔後に顔を拭く際、タオルでゴシゴシこすらず、押さえるようにして水分を吸い取ります。特に目の周りは優しく扱います。
  • パソコン・スマホの使用時間管理:長時間の画面注視は眼精疲労を引き起こし、無意識に目をこする原因となります。1時間ごとに10分程度の休憩を取り、遠くを見るなどして目を休めます。
  • うつぶせ寝の回避:うつぶせで寝ると、顔に枕の圧力がかかり、皮膚とリガメントに負担がかかります。仰向けで寝る習慣を身につけることが推奨されます。
  • 適切な枕の選択:高すぎる枕は首にシワを作り、顔のむくみの原因にもなります。適度な高さの枕を選び、首と頭を適切にサポートすることが重要です。

これらの日常的な配慮は、一つ一つは小さなことですが、長期的に積み重なることで大きな効果をもたらします。特に若い段階からこれらの習慣を身につけておくことで、将来的な目の下のたるみのリスクを大幅に低減できます。目元への刺激を最小限に抑えることは、他のセルフケアと併用することで、より高い予防効果を発揮します。



医療機関による目の下のたるみ治療

セルフケアだけでは改善が困難な目の下のたるみに対しては、医療機関での専門的な治療が有効な選択肢となります。医療機関で提供される治療法は、外科的手術から非侵襲的な施術まで幅広く存在し、それぞれ異なるメカニズムと効果を持っています。患者の症状、年齢、希望、予算などに応じて、最適な治療法を選択することが重要です。近年では、技術の進歩により、ダウンタイムが短く効果の高い治療法が多数開発されています。

医療機関での治療を検討する際には、まず専門医による正確な診断を受けることが不可欠です。目の下のたるみの原因は個人によって異なり、眼窩脂肪の突出、皮膚の弾力低下、眼輪筋の衰え、リガメントの緩みなどが複合的に関与していることが多いためです。専門医は、これらの要因を総合的に評価し、患者に最も適した治療法を提案します【文献2】。

治療法の選択にあたっては、効果の持続期間、ダウンタイム、費用、リスクなどを十分に考慮する必要があります。外科的手術は効果が長期間持続する一方で、ダウンタイムが長く、費用も高額になる傾向があります。一方、非侵襲的な施術はダウンタイムが短く気軽に受けられますが、効果の持続期間は比較的短く、繰り返し施術を受ける必要があります。次に、代表的な治療法について詳しく見ていきます。

■1. 外科的手術による治療

外科的手術は、目の下のたるみに対して最も確実で持続的な効果をもたらす治療法です。特に、眼窩脂肪の突出が顕著な場合や、余剰な皮膚が多い場合には、外科的手術が最も効果的な選択肢となります。外科的手術には、主に経結膜脱脂術ハムラ法、下眼瞼除皺術などがあり、それぞれ異なる適応とアプローチを持っています。これらの手術は形成外科や美容外科の専門医によって実施されます。

経結膜脱脂術は、下まぶたの裏側(結膜側)から眼窩脂肪を除去する方法です。皮膚表面に切開を加えないため、傷跡が目立たず、ダウンタイムも比較的短いという利点があります。この方法は、眼窩脂肪の突出が主な原因であり、皮膚の余剰やたるみが少ない比較的若い患者に適しています。手術時間は通常30分から1時間程度であり、局所麻酔で実施されることが多いです【文献6】。

[1] 主な外科的治療法とその特徴

外科的治療法にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる症状に対して適応されます。以下に、主な治療法とその特徴を示します。

  • 経結膜脱脂術:下まぶたの裏側から眼窩脂肪を除去する方法です。皮膚表面に傷跡が残らず、ダウンタイムは1~2週間程度です。眼窩脂肪の突出が主な原因で、皮膚のたるみが少ない場合に適しています。
  • ハムラ法(脂肪再配置術):突出した眼窩脂肪を除去せずに、目の下のくぼみ部分に移動させて固定する方法です。脂肪と皮膚の両方を再配置するため、より自然な仕上がりが得られます。中等度から重度のたるみがある場合に適しています。
  • ハムラ法:下まぶたの裏側からアプローチして脂肪を再配置する方法です。皮膚表面に傷跡が残らず、ハムラ法の利点と経結膜脱脂術の利点を併せ持っています。
  • 下眼瞼除皺術:下まつ毛の直下を切開し、余剰な皮膚と脂肪を除去する方法です。皮膚のたるみが顕著な場合に適しており、効果は長期間持続します。ダウンタイムは2~4週間程度です。

外科的手術は効果が高い反面、リスクも伴います。主なリスクとしては、下眼瞼外反(あかんべー状態)、左右差、過剰な脂肪除去による目の下のくぼみ、感染、出血などがあります。これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な専門医を選択することが極めて重要です。また、術前のカウンセリングで十分な説明を受け、期待される効果とリスクを理解した上で手術を受けることが推奨されます。

■2. 非侵襲的な機器による治療

近年、外科的手術を避けたい患者のために、非侵襲的または低侵襲的な機器による治療法が多数開発されています。これらの治療法は、皮膚を切開することなく、熱エネルギーや超音波などを用いて皮膚の深層部に働きかけ、コラーゲンの産生を促進することで、たるみを改善します。代表的な治療法としては、医療用HIFU(ハイフ)、サーマクール、レーザー治療、RF(ラジオ波)治療などがあります。

医療用HIFUは、高密度焦点式超音波を用いて、皮膚の深層部であるSMAS層(表在性筋膜)に熱エネルギーを与える治療法です。SMAS層は従来、外科的リフトアップ手術で引き上げられていた層であり、ここに熱を加えることで組織が収縮し、リフトアップ効果が得られます。同時に、熱刺激によってコラーゲンの新生が促進され、長期的な肌質の改善も期待できます。治療時間は30分から1時間程度であり、ダウンタイムはほとんどありません。

[1] 主な非侵襲的治療法の種類と効果

非侵襲的な機器による治療法には、様々な種類があり、それぞれ異なるメカニズムと効果を持っています。以下に、代表的な治療法を示します。

  • 医療用HIFU(ハイフ):超音波エネルギーをSMAS層に集中させ、組織を収縮させます。即効性と長期効果の両方が期待でき、効果は6ヶ月から1年程度持続します。痛みは軽度から中等度であり、麻酔は通常不要です。
  • サーマクール:RF(ラジオ波)エネルギーを真皮深層に照射し、コラーゲンの収縮と新生を促進します。効果は徐々に現れ、3~6ヶ月後に最大となります。効果の持続期間は6ヶ月から1年程度です。
  • フラクショナルレーザー:微細なレーザービームを皮膚に照射し、皮膚の再生を促します。目の下の小ジワや皮膚の質感改善に効果的です。複数回の施術が必要で、ダウンタイムは数日程度です。
  • モフィアス(フラクショナルRF):微細な針を皮膚に刺入し、RFエネルギーを真皮層に直接伝達します。皮膚の引き締めとコラーゲン産生促進に効果的です。ダウンタイムは数日から1週間程度です。

これらの非侵襲的治療は、外科的手術と比較すると効果は穏やかですが、ダウンタイムが短く、日常生活への影響が少ないという利点があります。したがって、軽度から中等度のたるみがあり、外科的手術に抵抗がある患者に適しています。ただし、効果の持続期間が限られているため、定期的な施術を繰り返す必要があり、長期的には外科的手術よりも費用がかかる場合があります。治療法の選択にあたっては、専門医と十分に相談し、自身の症状と希望に最も適した方法を選ぶことが重要です。

■3. 注入治療による改善

注入治療は、ヒアルロン酸や成長因子などの物質を目の下に注入することで、くぼみを補正し、たるみによる影を軽減する治療法です。特に、眼窩脂肪の突出によって生じた目の下の溝(涙袋溝)や、加齢によるボリューム減少が原因のくぼみに対して効果的です。注入治療は即効性があり、ダウンタイムも最小限であるため、気軽に受けられる治療法として人気があります。

ヒアルロン酸注入は、最も一般的な注入治療です。ヒアルロン酸は元々人体に存在する成分であり、アレルギー反応のリスクが低く、安全性が高いという特徴があります。目の下のくぼみ部分にヒアルロン酸を注入することで、ボリュームを補い、脂肪の突出部分との段差を滑らかにします。効果は注入直後から現れ、持続期間は使用する製剤の種類によって異なりますが、通常6ヶ月から1年程度です【文献13】。

[1] 注入治療の種類と適応

注入治療には、使用する物質によっていくつかの種類があり、それぞれ異なる特性と適応を持っています。以下に、主な注入治療を示します。

  • ヒアルロン酸注入:目の下のくぼみや溝を補正し、滑らかな目元を作ります。効果は即効性があり、持続期間は6ヶ月から1年程度です。注入後の調整が可能であり、万が一不満がある場合は溶解酵素で除去できます。
  • 脂肪注入:自身の脂肪を採取して目の下に注入する方法です。自己組織を使用するためアレルギーのリスクがなく、生着すれば効果は半永久的です。ただし、生着率には個人差があり、複数回の施術が必要な場合があります。
  • 成長因子注入:PRP(多血小板血漿)やグロースファクターを注入し、コラーゲンの産生を促進する方法です。効果は徐々に現れ、持続期間はヒアルロン酸よりも長い傾向があります。
  • ベビーコラーゲン:ヒト由来のコラーゲンを注入する方法です。ヒアルロン酸よりも自然な仕上がりが得られ、目の下の細かいシワにも効果的です。持続期間は6ヶ月から9ヶ月程度です。

注入治療は、比較的安全で手軽な治療法ですが、いくつかの注意点があります。まず、目の下は血管が豊富に分布している領域であり、誤って血管内に注入すると、血流障害や失明などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、解剖学的知識が豊富で、注入技術に優れた医師を選ぶことが極めて重要です。また、過剰に注入すると不自然な仕上がりになったり、むくんだように見えたりすることがあるため、適切な量を見極める医師の技術と経験が求められます。

■4. 糸リフトによる引き上げ治療

糸リフトは、特殊な糸を皮下に挿入し、物理的に組織を引き上げることでたるみを改善する治療法です。糸には細かい突起(コグ)が付いており、この突起が組織に引っかかることで、リフトアップ効果が得られます。また、糸が挿入されることで創傷治癒反応が生じ、コラーゲンの産生が促進されるため、長期的な肌質改善効果も期待できます。糸リフトは外科的手術と非侵襲的治療の中間的な位置づけの治療法です。

糸リフトに使用される糸には、溶ける糸(吸収性)と溶けない糸(非吸収性)の二種類があります。現在では、安全性の観点から、溶ける糸が主流となっています。溶ける糸は、PDO(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLLA(ポリ乳酸)などの素材で作られており、これらは数ヶ月から数年かけて体内で分解され、最終的には二酸化炭素と水になります。糸が分解される過程で、コラーゲンの産生が持続的に促進されるため、糸が完全に溶けた後も一定の効果が維持されます。

[1] 糸リフトの種類と特徴

糸リフトには、使用する糸の種類や挿入方法によって、いくつかのバリエーションがあります。以下に、主な種類と特徴を示します。

  • PDO糸リフト:最も一般的な糸リフトです。糸は6~8ヶ月程度で吸収され、効果の持続期間は1年から1年半程度です。比較的細い糸を多数挿入する方法が主流であり、自然な仕上がりが得られます。
  • PCL糸リフト:PDOよりも分解速度が遅く、2~3年かけて吸収されます。効果の持続期間は2年程度であり、より長期的な効果を求める患者に適しています。
  • ショッピングスレッド:非常に細い糸を多数挿入する方法です。主にコラーゲン産生を促進することを目的としており、引き上げ効果は穏やかですが、肌質の改善に効果的です。
  • コグ付き糸リフト:突起(コグ)が付いた糸を使用し、組織をしっかりと引き上げる方法です。引き上げ効果が高く、中等度から重度のたるみに適していますが、稀に突起が触れたり見えたりすることがあります。

糸リフトのダウンタイムは比較的短く、腫れや内出血は1~2週間程度で改善します。ただし、糸を挿入した部分に違和感や引きつれを感じることがあり、これが完全に消失するまでには数週間から数ヶ月かかる場合があります。また、糸リフトは外科的手術と比較すると引き上げ効果が穏やかであり、重度のたるみには十分な効果が得られないことがあります。したがって、軽度から中等度のたるみがあり、外科的手術は避けたいが、ある程度の引き上げ効果を求める患者に適した治療法です。

■5. 治療法の選択と医療機関の選び方

目の下のたるみ治療には多様な選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。したがって、自身の症状、年齢、ライフスタイル、予算、希望する効果などを総合的に考慮して、最適な治療法を選択することが重要です。また、一つの治療法だけでなく、複数の治療法を組み合わせることで、より高い効果が得られる場合もあります。専門医との十分なカウンセリングを通じて、自分に最も適した治療計画を立てることが推奨されます。

医療機関を選ぶ際には、医師の専門性と経験が最も重要な判断基準となります。形成外科専門医や美容外科専門医の資格を持ち、目の下のたるみ治療の経験が豊富な医師を選ぶことが推奨されます。また、カウンセリングの際に、医師が患者の話をよく聞き、期待される効果とリスクについて丁寧に説明してくれるかどうかも重要なポイントです。過度に良い結果を約束したり、リスクについて十分に説明しなかったりする医師は避けるべきです。

[1] 医療機関選択のチェックポイント

信頼できる医療機関を選ぶためには、以下のポイントをチェックすることが重要です。

  • 医師の資格と経験:形成外科専門医や美容外科専門医の資格を有し、目の下のたるみ治療の経験が豊富であることを確認します。症例写真を見せてもらうことも有効です。
  • カウンセリングの質:医師が患者の悩みをよく聞き、適切な診断を行い、複数の治療選択肢を提示してくれるかを確認します。一つの治療法だけを強く勧める場合は注意が必要です。
  • リスクの説明:期待される効果だけでなく、起こりうる合併症やリスクについても十分に説明してくれるかを確認します。リスクについて質問した際に、適切に答えてくれることが重要です。
  • 費用の透明性:治療費用が明確に提示され、追加費用の有無についても説明があるかを確認します。不明瞭な料金体系の医療機関は避けるべきです。
  • アフターケア体制:治療後のフォローアップ体制が整っているかを確認します。合併症が生じた際に、迅速に対応してくれる体制があることが重要です。
  • 施設の清潔さと設備:清潔で適切な医療設備が整っているかを確認します。手術室の有無や滅菌体制なども重要なポイントです。
  • 口コミと評判:他の患者の評価や口コミを参考にします。ただし、インターネット上の情報には偏りがあることも理解しておく必要があります。

医療機関の選択は、治療の成否を左右する重要な決定です。複数の医療機関でカウンセリングを受け、比較検討することが推奨されます。また、費用だけを基準に選ぶのではなく、医師の技術と経験、アフターケア体制などを総合的に評価することが重要です。目の下のたるみ治療は、適切な医療機関で適切な治療を受けることで、安全かつ効果的に改善することが可能です。



まとめ

目の下のたるみは、加齢に伴う皮膚の弾力低下、眼輪筋の衰え、眼窩脂肪の突出、リガメントの緩みなど、複数の要因が複雑に絡み合って生じる症状です。NHKの番組「ためしてガッテン」で紹介されたリンパマッサージやニパニパ体操は、自宅で手軽に実践できる方法として多くの視聴者から関心を集めました。これらの方法は、顔を直接触らずにリンパの流れを促進し、表情筋を鍛えることで、むくみの解消や血行改善に一定の効果が期待できます。しかし、医学的な観点から検証すると、これらのセルフケア方法には明確な限界があることも理解しておく必要があります。ためしてガッテン式の方法は、予防的なケアや軽度の症状改善には有効ですが、すでに進行している構造的なたるみに対しては、十分な改善効果を得ることは困難です。特に、眼窩脂肪の突出が顕著な場合や、皮膚の弾力が大幅に失われている場合には、セルフケアだけでは根本的な解決にはなりません。したがって、自身の症状がどの段階にあるのかを正確に把握し、適切な対処法を選択することが重要です。若い段階から予防的なケアを継続している場合には、将来的なたるみのリスクを大幅に低減できる可能性があります。

目の下のたるみの発生メカニズムを理解することは、効果的な予防と改善のために不可欠です。皮膚の真皮層に存在するコラーゲンエラスチンは、加齢とともに減少し、その質も劣化します。研究によれば、80歳以上の高齢者の皮膚に含まれるコラーゲン量は、若年成人の約25%にまで減少することが報告されており、これが皮膚のたるみの主要な原因となります。また、紫外線による光老化は、内因性老化とは異なるメカニズムで皮膚を劣化させ、真皮層に異常なエラスチンを蓄積させます。眼輪筋の衰えは、眼窩脂肪を支える力を弱め、脂肪が前方に突出する原因となります。さらに、顔の皮膚を骨に固定しているリガメントが緩むことで、皮膚全体が下垂しやすくなります。これらの変化は相互に関連しており、一つの要因だけを改善しても十分な効果が得られないことがあるため、包括的なアプローチが必要です。セルフケアにおいては、保湿、紫外線対策、抗酸化物質の摂取と外用、適切な生活習慣の維持、目元への刺激の最小化などを組み合わせることで、たるみの進行を遅らせる効果が期待できます。

自宅でできるセルフケアは、早期から開始し、継続的に実践することで最大の効果を発揮します。保湿ケアでは、セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分が配合された目元専用化粧品を使用し、朝晩のスキンケアを丁寧に行うことが重要です。紫外線対策は年間を通じて徹底し、日焼け止めの適切な使用、帽子やサングラスの着用、紫外線の強い時間帯の外出を避けるなどの対策を講じる必要があります。抗酸化物質の摂取では、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなどをバランスよく摂取し、活性酸素による酸化ストレスから皮膚を保護します。生活習慣の改善では、質の高い睡眠の確保、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理、禁煙、節度ある飲酒などが重要です。また、目をこすらない、コンタクトレンズの適切な扱い、アイメイクの優しい落とし方、うつぶせ寝の回避など、日常的な配慮によって目元への刺激を最小限に抑えることも効果的です。これらのセルフケアは、単独で実践するよりも、複数を組み合わせて継続的に行うことで、相乗効果が期待できます。ただし、セルフケアの効果は個人差が大きく、また即効性はないため、長期的な視点で取り組むことが必要です。

セルフケアだけでは改善が困難な目の下のたるみに対しては、医療機関での専門的な治療が有効な選択肢となります。治療法は大きく分けて、外科的手術、非侵襲的な機器による治療、注入治療、糸リフトなどがあり、それぞれ異なるメカニズムと効果を持っています。外科的手術である経結膜脱脂術ハムラ法は、眼窩脂肪の突出や余剰な皮膚を直接的に処置するため、最も確実で持続的な効果が得られます。非侵襲的な機器による治療である医療用HIFUサーマクールは、ダウンタイムが短く、日常生活への影響が少ないという利点があり、軽度から中等度のたるみに適しています。注入治療では、ヒアルロン酸や脂肪を目の下のくぼみに注入することで、即効性のある改善効果が得られます。糸リフトは、外科的手術と非侵襲的治療の中間的な位置づけであり、比較的短いダウンタイムで一定の引き上げ効果が期待できます。治療法の選択にあたっては、自身の症状の重症度、年齢、ライフスタイル、予算、希望する効果などを総合的に考慮し、専門医との十分なカウンセリングを通じて決定することが重要です。また、医療機関の選択では、医師の専門性と経験、カウンセリングの質、リスクの説明、費用の透明性、アフターケア体制などを確認し、信頼できる医療機関を選ぶことが治療の成否を左右します。

目の下のたるみの改善には、予防から治療まで、段階に応じた適切なアプローチが存在します。若い段階では、紫外線対策や保湿ケアなどの予防的なセルフケアを徹底することで、将来的なたるみのリスクを大幅に低減できます。軽度の症状が現れ始めた段階では、ためしてガッテン式のリンパマッサージやエクササイズを含む包括的なセルフケアを継続することで、症状の進行を遅らせることが可能です。中等度から重度の症状に進行した段階では、セルフケアに加えて、医療機関での非侵襲的治療や注入治療を検討することが推奨されます。さらに重度の症状や、即効性と持続性を求める場合には、外科的手術が最も効果的な選択肢となります。重要なのは、自身の症状を正確に評価し、現実的な期待値を持って適切な方法を選択することです。また、一度改善した後も、継続的なセルフケアや定期的なメンテナンス治療によって、良好な状態を維持することが可能です。目の下のたるみは完全に避けることはできない加齢現象ですが、適切な知識と対策によって、その進行を大幅に遅らせ、若々しい目元を長く保つことができます。本記事で紹介した情報を参考に、自身に最適な方法を見つけ、実践していただければ幸いです。



専門用語一覧

  • 眼窩脂肪(がんかしぼう):眼球の周囲を取り囲むクッション状の脂肪組織であり、眼球を外部の衝撃から保護し、眼球の動きを滑らかにする役割を果たします。加齢によって眼窩隔膜が緩むと、この脂肪が前方に突出し、目の下の膨らみとして現れます。
  • 眼窩隔膜(がんかかくまく):眼窩脂肪を眼窩内に保持する薄い膜状の組織です。この隔膜はコラーゲン線維で構成されており、加齢によって強度が低下すると、眼窩脂肪が前方に押し出されやすくなり、目の下のたるみの原因となります。
  • 眼輪筋(がんりんきん):目の周りを囲む輪状の筋肉であり、まばたきや目を閉じる動作を担っています。この筋肉は眼窩脂肪が前方に突出するのを防ぐ役割も果たしており、加齢や使用頻度の低下によって衰えると、目の下のたるみが生じやすくなります。
  • リガメント(靭帯):皮膚と骨をつなぐ線維性の支持構造であり、顔の立体的な形状を維持する役割を果たします。主要なリガメントには眼窩リガメント、頬骨リガメント、下顎リガメントなどがあり、これらが加齢によって緩むと皮膚が下垂し、たるみが生じます。
  • 涙袋靭帯(ティアトラフリガメント):目の下の領域を支える靭帯であり、この靭帯が緩むと目の下の皮膚と脂肪が下方に移動し、たるみや涙袋の下の溝が目立つようになります。リガメントの緩みは主に加齢によって生じますが、外部からの物理的刺激によっても加速されることがあります。
  • コラーゲン:皮膚の真皮層に存在する主要な構造タンパク質であり、皮膚の乾燥重量の70~80%を占めます。皮膚の強度と弾力を提供する役割を果たしており、加齢や紫外線によって減少すると、皮膚のたるみやシワの原因となります。
  • エラスチン:真皮層に存在する線維状タンパク質であり、全体の2~4%と少量ですが、皮膚の伸縮性に重要な役割を果たします。加齢によって劣化や変性が進むと、皮膚が一度伸びた後に元に戻りにくくなり、たるみの原因となります。
  • 線維芽細胞(せんいがさいぼう):真皮層に存在する細胞であり、コラーゲンエラスチンヒアルロン酸などの細胞外マトリックスを産生します。加齢によってこの細胞の機能が低下すると、コラーゲンエラスチンの産生量が減少し、皮膚の弾力が失われます。
  • マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP):コラーゲンエラスチンなどの細胞外マトリックスを分解する酵素の総称です。紫外線や加齢によってMMPの発現が増加すると、コラーゲンエラスチンの分解が促進され、皮膚のたるみやシワが生じやすくなります。
  • 光老化:紫外線によって引き起こされる皮膚の老化現象であり、内因性老化とは異なるメカニズムで進行します。真皮層にエラストーシスという異常なエラスチンの蓄積が生じることが特徴的であり、深いシワやたるみの主要な原因となります。
  • エラストーシス:紫外線による光老化の特徴的な変化であり、真皮層に異常な構造を持つエラスチンが大量に蓄積する現象です。正常なエラスチンとは異なり、機能的な弾力性を持たないため、皮膚のたるみやシワの原因となります。
  • 活性酸素種(ROS):酸素分子から派生した反応性の高い分子であり、細胞やタンパク質、DNAに酸化ストレスを与えます。紫外線、ストレス、喫煙、大気汚染などによって体内で発生し、皮膚の老化を促進する主要な要因となります。
  • リンパ液:体内の老廃物や余分な水分を運搬する透明な液体であり、免疫機能にも重要な役割を果たします。リンパ管を通って循環し、最終的に静脈系に戻ります。リンパの流れが滞ると、むくみやたるみの原因となります。
  • SMAS層(表在性筋膜):皮膚と筋肉の間に存在する線維性の膜状構造であり、顔の表情筋を覆っています。外科的リフトアップ手術では、この層を引き上げることで効果的なリフトアップが実現されます。医療用HIFUは、この層に熱エネルギーを与えることで非侵襲的な引き上げ効果を得ます。
  • 経結膜脱脂術(けいけつまくだっしじゅつ):下まぶたの裏側から眼窩脂肪を除去する外科的手術です。皮膚表面に切開を加えないため、傷跡が目立たず、ダウンタイムも比較的短いという利点があります。眼窩脂肪の突出が主な原因で、皮膚のたるみが少ない場合に適しています。
  • ハムラ法(脂肪再配置術):突出した眼窩脂肪を除去せずに、目の下のくぼみ部分に移動させて固定する外科的手術です。脂肪と皮膚の両方を再配置するため、より自然な仕上がりが得られます。中等度から重度のたるみがある場合に適しています。
  • 医療用HIFU(ハイフ):高密度焦点式超音波を用いて、皮膚の深層部であるSMAS層に熱エネルギーを与える非侵襲的治療法です。組織が収縮することでリフトアップ効果が得られ、同時にコラーゲンの新生が促進されます。効果は6ヶ月から1年程度持続します。
  • サーマクール:RF(ラジオ波)エネルギーを真皮深層に照射し、コラーゲンの収縮と新生を促進する非侵襲的治療法です。効果は徐々に現れ、3~6ヶ月後に最大となります。ダウンタイムがほとんどなく、日常生活への影響が少ないという利点があります。
  • ヒアルロン酸:真皮層に存在する多糖類であり、1グラムで約6リットルの水分を保持する能力があります。美容医療では、この物質を目の下のくぼみに注入することで、ボリュームを補い、たるみによる影を軽減します。効果は6ヶ月から1年程度持続します。
  • 糸リフト:特殊な糸を皮下に挿入し、物理的に組織を引き上げることでたるみを改善する治療法です。糸には細かい突起が付いており、この突起が組織に引っかかることでリフトアップ効果が得られます。また、糸の挿入によって創傷治癒反応が生じ、コラーゲンの産生が促進されます。



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執筆者

代表取締役社長 博士(工学)中濵数理

■博士(工学)中濵数理

  • 由風BIOメディカル株式会社 代表取締役社長
  • 沖縄再生医療センター:センター長
  • 一般社団法人日本スキンケア協会:顧問
  • 日本再生医療学会:正会員
  • 特定非営利活動法人日本免疫学会:正会員
  • 日本バイオマテリアル学会:正会員
  • 公益社団法人高分子学会:正会員
  • X認証アカウント:@kazu197508

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